川村さんは都会のマンションに住んでいる。野菜や花を育てることが好きなのだが、マ ンションのベランダでは十分に楽しむことができない。広い庭のある家で、野菜や花を育 てることが、川村さんの長い間の夢だった。
 川村さんは、今、広い「庭」で野菜や花を育てている。近くに「みんなの庭」ができた のだ。「みんなの庭」は、市の土地を市民が借りて、共同の「庭」を作っていくものであ る。利用する人たちが話し合って、みんなで野菜や花を育てて楽しむ。
 「みんなの庭」で野菜や花を作るようになって、川村さんは友達がたくさんできたそう だ。それまでは、近所の人にあいさつはしても、なかなか友達になるのは難しかった。し かし、①「みんなの庭」では違う。同じようにこの庭を利用して野菜や花を作っている人に、「きれいに咲きましたね。」とか「りっぱなトマトになりましたね。」と話しかけたりする。 また、普段あまり付き合うことがない人とお茶を飲んだり、おしゃべりをしたりすること も、ここなら自然にできるそうだ。都会では少なくなった近所の人との交流の機会が生まれているのだ。
 川村さんたちは、「みんなの庭」で近所の人と付き合っているうちに、子どもの教育や 町の安全など、生活のこともいろいろ話すようになった。このような付き合いが続いてい けば、将来は、自分たちの町をもっと住みやすくしていこうという話し合いができるよう になるかもしれない。川村さんは、「みんなの庭」で汗を流しながら、②そう感じている

(34)川村さんは、どうして「みんなの庭」に参加したのか。


(35)「みんなの庭」はどのようなものか。


(36)①「みんなの庭」では違うとあるが、どんな点が違うのか。


(37)②そう感じているとあるが、どのように感じているのか。


 2011年現在、日本の人口1億2780万人のうち、65歳以上の高齢者は2975万人で、過去最高になった。また、65歳以上の高齢者がいる家庭のうち、約25%が一人暮らしの家庭、約30%が夫婦のみの家庭で、一人または夫婦のみで暮らす高齢者が年々増加している。そうした状況の中で、利用者が増えているのが、配食サービスだ。
 配食サービスとは、栄養バランスの良い食事を定期的に届けるサービスで、食400円ぐらいで便利できる。配食サービスの主な目的は2つある。
 1つ目は、栄養バランスを一番に考えた食事を届けることによって、利用者の健康維持に役立つことだ。その栄養バランスの良さが注目され、最近では、高齢者ばかりでなく、若い人の利用も増えているそうだ。特に、子どもを産んだ直後の女性や、健康には気をつけていても忙しすぎる人などが利用しているという。
 2つ目は食事を届ける時に「お変わりありませんか」などと聞くことによって、利用者の健康状態を確認したり、社会的孤立(注)を防いだりすることだ。実際に、配食サービスの効果を調しらべたある調査によると、「定期的に人が来てくれるので、急に倒れても早く対応してもらえるという安心感がある」「人と話す機会が増えた」などの回答が多かったそうだ。
 配食サービスを行う企業や団体が増え、利用者は、自分に合った食事の味や費用、配食の回数などが選えらびやすくなっている。今後利用者はますます増えるだろう。
(注)孤立:一人だけでつながりやたすけがないこと

(34) そうした状況とは、どのような状況か。


(35) ここで言う、安心感とはどのようなものか。


(36) この文章で書かれていることと合っているものはどれか。


(37) この文章は主に何について書かれているか。


 マラソン大会、チーズまつり、手品コンテスト…。住民による小さなイベントや趣味のサークル活動が、町の名物と呼ばれるほど大きく広がることがある。大浜市にも①このような名物がある。小学生親子バレーボール大会、「ひかりカップ」だ。今年は、県の内外から 156チームが出場し、2日間で4000人もの人が同市をおとずれた。
 この大会は、バレーボールの市民サークルが小学校のクラブと交流試合を行ったのが始まりだ。はじめは参加10チームの小さな大会だったが、この大会を広めゆることで②町おこしができないかとサークルのメンバーたちは考えた。
 商店街に協力を呼びかけてもなかなかこたえてもらえず、(1)大会当日の昼はおべんとうを注文する、(2)県外からのチームは市内に泊まる、という参加ルールをつくることにした。その結果、多くの店や旅館が協力してくれるようになった。これは農家にとっても③いい宣伝になっている。おべんとうにはすべて地元(注)の食材を使うことになっているのだ。今では、大会中は町に人があふれ、まつりのようなにぎやかさだ。試合の帰りに市内を観光して帰る人も多い。町おこしは大成功だ。
 「皆さんが楽しそうにプレーしていたのがいちばんうれしい。町の方々とポランティアのカを借りて、来年もよりよい大会にしたい」と会長の木村さん。サークルには、参加者からのお礼の手紙がたくさん届いているそうだ。試合結果と参加者の声はサークルのホームページで公開されている。
(注) 地元 : その人やそのことに直接関係のあるところ

(34)①このような名物とは、どのような名物か。


(35)ここで言う、②町おこしとはどのようなものか。


(36)③いい宣伝になっているとあるが、それはどうしてだと言っているか。


(37)会長の木村さんは、この大会についてどう言っているか。


 日本ではどの町に行ってもコンビニがある。日々必要な食べ物や飲み物、雑誌などを売っているだけでなく、いろいろなサービスもある。例えば、ATM でお金をおろしたり、電気代や
ガス代などの公共料金を支払ったりすることができる。物を送ることもできるし、和写真をプリ
ントすることもできる。電話で注文して、料理を配達してもらうこともできるそうだ。コンピニは、今や日本人の生活にはなくてはならないものになっていると言えるだろう。
 コンピニには、一人暮らしの若者、子どもと離れて暮らす老人、家事で忙しい主婦、塾帰
の子どもなど、あらゆる人が訪れる。これほど人々に広く利用きれているのは、コンビニがそ
れだけ便利だからだろう。しかし、①その理由は便利さだけだろうか。
 コンピこの経営について、ある店長に語を開いてみた。すると、②こんな答えが返ってきた。「一番大切にしているのは、お客きんのことをよく考えて行動することです。例えば、小さい子どもが母親と買い物に来て、20円のチョコレートを買ったときは、ほかの品物とは別に小さい袋に入れてあげるとか、赤ちゃんを抱いている母親が買い物をしたら、事まで荷物を持って
行ってあげるとか。」。小さいことだが、スタッフの優しさを感じさせる話だ。
 「気持ちのいいぃ店だな。」「また来よう。」一一客にそう思わせるのは、客のことを考えている気持ちが自然に伝わるからだろう。

 (34)この文章では、コンピニでは何ができると言っているか。


(35)①その理由とあるが、何の理由か。


(36)②こんな答えとあるが、どんな内容か。


(37)この文章で一番言いたいことは何か。


 先日、知り合いの外国人から、「焼き島の食べ方には、串からそのまま食べる食べ方と、箸で肉を串からはずして食べる食べ方があるようだ。どちらが正しいのか」という質問をされた。私自身は、串から直接食べるほうです、と答えたが、本当のところどうなのだろう、とその後も気になった。
 調べてみてわかったのだが、この「焼き鳥の食べ方論争(注1)」はずっと続いているようだ。「串から直接派」の主張は、串からはずしてしまうとうまみが逃げばてしまう し、冷めやすいからおいしくなくなる、だから串から直接いくべきだ、というのが主である。一方、「串からはずす派」は、特に女性は串から直接食べると口の周りが汚れたり口紅が取れてしまって見た目が悪いこと、はずしてばらばらにしたほうがみんなで分けて食べやすいこと、などを理由にしている。
 ①どちらの主張にも一理あるが、私はやはり、特に作り手の気持ちを考えると、「串から直接派」の考えに賛成したい気持ちになる。焼き鳥屋さんの多くは、「焼き鳥は串に刺して焼くからおいしいものであり、そのために手間のかかる串うち(注2)という作業をしているのだから、( ② )」と思っているようだ。見た目や周りを気にするより、おいしさ100%の状態で味わうことが、作り手に払うべき最大の敬意だと思うからである。
(注1) 論争 : 意見を言い合うこと
(注2) 串うち : 焼き鳥の肉を肉に刺すこと

(34)「串から直接派」と「串からはずす派」の意見は、どれか。(出から直接派/出からはずす派)


(35)①どちらの主張にも一理あるとは、ここでは、どういう意味か。


(36)( ② )に入る言葉はどれか。


(37)焼き鳥の食べ方に関して、この文章を書いた人の考えはどれか。