先日、犬に引っ張られながら散歩している人を見かけた。きちんと教えれば飼い主に合わせて歩くようになるものだが、あの犬は教えられていないのだろう。
 犬は教えなければ勝手に行動する。散歩のとき、行きたい方向へ自由に行かせていると、①飼い主は自分の思い通りになると思い込んで、力いっぱい引っ張ってしまう。また、歩くのがいやになると途中で座り込んでしまったり、ほかの犬と出会ったとき、散歩していることを忘れて遊びたがったりする。②こんなことがないように、しつける必要がある。
 かわいいという気持ちは飼い主の自然の感情であり、いつもそばにいて面倒をみたいと思うものだ。だが、だれかそばにいないと落ち着けないとなると、犬もかわいそうだ。自立させることが必要だ。
 静かに留守番ができるようにしつけることにより、飼い主がどうしても出かけなければならないときに、安心してペット・ホテルに預けることもできる。どんな環境になっても自立できるようにしつけよう。③それが愛情であろう
 人間と暮らすためには、我慢することが必要だということを教え、また、飼い主も社会のルールを守って犬と生活をしなければならない。
 犬が嫌いな人もいれば、アレルギーが起こる人もいる。他人に迷惑をかけないように心がけよう。④人間も犬も上手に暮らしていく方法を身につけてこそ、楽しく過ごせるのである。

(1)①飼い主は自分の思い通りになるとあるが、どういう意味か。


(2)②こんなことがないようにとあるが、どんなことか。


(3)③それが愛情であろうとあるが、ここで言いたいことはどんなことか。


(4)④人間も犬も上手に暮らしていく方法を身につけてとあるが、どういう意味か。


 今や、どこの大学でもキャンパスを歩くと、よく外国人学生を見かけるようになりました。また、大学の学部によっては4年の間に一度は留学しなければならないというところもあります。それだけ①留学することは珍しくないことになっています。しかし、自分が留学するとなると、どうすればいいかわからず、結局あきらめてしまう人も少なくはないと思います。
 「留学はしたいが、手続きの仕方がわからない」といった学生を対象に親切に相談に乗ってくれるところに「留学相談室」があります。「奨学金の申し込み方がわからない」「行きたい国はあるが大学が決められない」「ホームステイ先の家族とうまくやっていくにはどうすればいいか」など、相談の内容はさまざまですが、共通するのは「不安」ではないでしょうか。
 ゆう子さんも2年前に不安を持って相談室のドアを叩きました。そのとき、ゆう子さんは相談員の体験談を聞き、最初はみんな不安なんだと知って、少しほっとしたそうです。また、ここで同じ大学に留学を希望している良子さんとも知り合えました。仲間をみつけたゆう子さんは、無事留学、毎日が本当に楽しく留学してよかったと心から思ったそうです。
 ゆう子さんは今「留学相談室」でアルバイトをしていますが、迷っている学生を見ると②思わず「ガンバレ」と言いたくなるそうです。

(1)①留学することは珍しくないことになっていますとあるが、ここではどういう意味か。


(2)②思わず「ガンバレ」と言いたくなるとあるが、どうしてそう思うのか。


(3)「留学相談室」について、正しいものはどれか。


(4)「留学相談室」に来る学生について、一般的に言えることは何か。


 私の家の近くにある小学校では、最近、校庭が土から芝生に変わった。きれいな緑が広がる芝生の校庭は、とても気持ちがいい。今、日本各地の学校で校庭を芝生にしようという動きがあるそうだ。生にすると、子供たちは土の校庭のときより、積極的に外で遊ぶようになる。また、芝生には暑いときに校庭の気温を上がりにくくしたり、校庭の乾いた土が風で近所の家に飛んでいくのを防せいだりする効果もある。
 実は、私の家の狭い道も芝生にしてみたことがある。だが、すぐに枯れてしまった。あんなに広い校庭を芝生にして大丈夫なのだろうか。ちょっと心配になって、調べてみた。
 芝生には育つのが早い種類と遅い種類がある。そして、それぞれ良い点と悪い点がある。育つのが早い種類の芝生は、状態じょうたいが悪くなっても直りやすいが、長く伸びすぎないように何度も切らなければならず、世話を
する時間とお金がかかる。一方、遅い種類の芝生は、世話をする時間とお金はあまりかからないが状態じょうたいが悪くなるとなかなか直らない。また、どちらの種類の芝生でも、1 年に一ヶ月ぐらいは誰だ れも踏まない期間を作り、休ませる必要があるそうだ。その間は、子供たちも校庭で遊ぶのを我慢がまん しなければならない。
 「芝生の校庭」が成功した学校は、町に住む人々に芝生の世話を手伝ってもらっているところが多いようだ。きっと、家の近くの小学校でも芝生の世話をしてくれる人を募集しているに違いない。子供たちが元気に遊べる校庭が作れるよう、風も協 力 きょうりょくできたらいいと思っている。

(34).この文章では、校庭が芝生になることでどのような変化があると言って いるか。


(35)心配になってとあるが、何について心配になったのか。


(36)芝生の特徴について、合っているものはどれですか。


(37)家の近くにある小学校の「芝生の校庭」について、「私」は今、どう考 えているか。


さあ、深呼吸をしてみましょう。
今、何を吸い込みましたか。たいていの人は、空気と答えたでしょう。もちろん、それで正解です。でも、空気中には、目に見えないものがたくさんただよっていて、それも一緒に吸い込まれます。その中には、病気の原因になる微生物(注1)もいます。このような微生物は、手にもたくさん付いていて,
それが口を通して体に入ってくることもあります。
私たちの体は、だいたい36度から37度ぐらいの温度に保たれています。また、体の中には、水分や栄養分があります。ですから、微生物にとっては、②とても住み心地がよく、増えやすい所です。病気の原因になる微生物が増えたら大変ですね。
でも、安心してください。私たちの体には、自分で自分を守るための仕組み(注2)があるのです。
まず、体を覆っている皮膚です。傷でもない限り、微生物は、皮膚を通して体の中に入ることはありません。それから、 涙も、目から入ろうとする微生物を流してしまいます。しかも、 涙は、微生物を殺す働きもします。
これら以上に大事なのは、④のどの奥に生えている繊毛です。繊毛は、鼻や口から入ってきた微生物を、外へ外へと押し出す役目をしているからです。
このほかにも、私たちの体には、自分を守るための、たくさんの仕組みがあります。しかし、それにもかかわらず、微生物が、体の中に入り込んでくることがあります。
そんなときに備えて、体の中にも、微生物と 戦うすばらしい仕組みができています。
(注1) 微生物:顕微鏡でしか見ることが出来ない非常に小さい生物
(注2) 仕組み:ものすごいの組み立て、構造

(34)① 私たちの体 について、文章の内容と合わないのはどれか。


(35)② とても住み心地がよく、増えやすい所とあるが、それはなぜか。


(36)③ これらは何を指しているか。


(37)④ のどの奥に生えている繊毛ですとあるが、繊毛の働きについて、正しいのはどれか。


(前略)人は睡眠中に、極(注1)浅い眠り、浅い眠り、中くらいの眠り、深い眠りの四段階の眠りをします。この眠りをノンレムを睡眠と言いますが、ノンレム睡眠の次にもう一つの眠りがきます。これが、レム睡眠です。(中略)七~八時間の睡眠のうち、ノンレム睡眠とレム睡眠を何回か繰り返しますが、①夢を見るのはレム睡眠のときだけです。
 ( ② )のときにはいつでも夢を見ていますが、その夢を覚えているのは、夢を見た後約八分だけだそうです。この間に目が覚めれば覚えているのですが、そのまま眠り続けてしまえば、夢を見たことすら(注2)忘れてしまいます。だから、ぐっすり熟睡(注3)して浅い眠りから深い眠りへすぐ移行して(注4)しまうと、夢はあまり見ません。
 また、( ③ )が長くなると、夢を見ている時間が長くなります。眠る時間が長ければ、レム睡眠の長さも伸びますが、同じ時間寝ていても、強いストレス(注5)を受けているときのほうがレム睡眠が長くなるそうです。それに、ストレスを受けているときには、ウツウツとして(注6)よく眠れば、目が覚めやすいということもあります。そういえば、テストの前とか、仕事がうまくいかないときとか、ふられた(注7)ときとか、イヤなことがあったときによく夢をみたなと、思い当たりませんか。アメリカで行われた実験でも、④夢をあまり見ない人というのは、楽天的(注8)で自我があまり強くない人(注9)という結果が出ているそうです。何も 考えず、バタンキュー(注10)と眠ってしまうのが、最上の眠りのようです。

(注1) 極: とても
(注2) ~すら : ~さえ
(注3) 熟睡: ぐっすり眠ること
(注4) 移行する : 移っていく
(注5) ストレス : 肉体的、精神的緊張
(注6) ウツウツとする : よく眠れない様子
(注7) ふられる : (好きな相手に)嫌われる、あるいは、何かを断られること
(注8) 楽天的: 何事にも明るくいい方法に考える様子
(注9) 自我が強くない人: 自分というものを強く出さない人
(注10) バタンキュー : すぐに眠ってしまう様子"

(34)夢を見るのはどんなときか。


(35)( ② ) ( ③ ) に入る言葉として適当な組み合わせのものはどれか。


(36)筆者によれば、④ 夢をあまり見ない人はどんな人か。


(37)ストレスの多い人について、正しいものはどれか