野菜工場は、電気の光で野菜を育てる工場です。屋内に上下に何段も棚を重ねて作り、そこで野菜を育てます。それぞれの棚で野菜が作れるので、同じ広さの場所でも畑より①多くの野菜を生産することができます
 野菜工場では、畑と違って②環境も人間が作れます。例えば、工場では温度や湿度、野菜が光を浴びる時間も決められるので、外の天気に影響されずに野菜が育ちます。冬に夏の野菜を作ることも可能です。
 また、工場は虫などが入りにくいので、農薬 (注)を使う必要がありません。ですから、工場で作られた野菜は安心して食べられます。畑で育った野菜より栄養があるものもあるそうです。
 野菜を作る人にとっても、いい点があります。畑では作物を地面で育てますから、長時間腰を曲げて働かなければならず、足や腰が痛くなります。しかし、工場では棚を、仕事がしやすい高さにすることができるので、楽に仕事ができます。
(注) 農薬:ここでは、野菜を虫や病気から守るための薬

(34)①多くの野菜を生産することができますとあるが、どうしてか


(35)②環境も人間が作れますとあるが、それは、例えばどうすることか


(36)工場で作った野菜について、この文章を書いた人はどう言っているか


(37)野菜エ場について、この文章を書いた人はどう考えているか


 マラソン大会、チーズまつり、手品コンテスト・・・。住民による小さなイベントや趣味のサークル活動が、町の名物と呼ばれるほど大きく広がることがある。大浜市にも①このような名物がある。小学生親子バレーボール大会、「ひかりカップ」だ。今年は、県の内外から156チームが出場し、二日間で4000人もの人が同市をおとずれた。
 この大会は、バレーボールの市民サークルが小学校のクラブと交流試合を行ったのが始まりだ。はじめは参加10チームの小さな大会だったが、この大会を広めることで②町おこしができないかとサークルのメンバーたちは考えた。
 商店街に協力を呼びかけてもなかなかこたえてもらえず、(1)大会当日の昼はおべんとうを注文する、(2)県外からのチームは市内に泊まる、という参加ルールをつくることにした。その結果、多くの店や旅館が協力してくれるようになった。これは農家にとっても③いい宣伝になっている。おべんとうにはすべて地元(注1)の食材を使うことになっているのだ。今では、大会中は町に人があふれ、まつりのようなにぎやかさだ。試合の帰りに市内を観光して帰る人も多い。町おこしは大成功だ。
 「皆さんが楽しそうにプレーしていたのがいちばんうれしい。町の方々とボランティアの力を借りて、来年もよりよい大会にしたい」と会長の木村さん。 サークルには、参加者からのお礼の手紙がたくさん届いているそうだ。試合結果と参加者の声はサークルのホームページで公開されている。

(注)地元:その人やそのことに直接関係のあるところ

(1)①このような名物とは、どのような名物か。


(2)ここで言う、②町おこしとはどのようなものか。


(3)③いい宣伝になっているとあるが、それはどうしてだと言っているか。


(4)会長の木村さんは、この大会についてどう言っているか。


 日本ではどの町に行ってもコンビニがある。日々必要な食べ物や飲み物、雑誌などを売っているだけでなく、いろなサービスもある。例えば、ATM でお金をおろしたり、電気代やガス代などの公共料金を支払ったりすることができる。物を送ることもできるし、写真をプリントすることもできる。電話で注文 して、料理を配達してもらうこともできるそうだ。コンビニは、今や日本人の生活にはなくてはならないものになっていると言えるだろう。
 コンビニには、一人暮らしの若者、子どもと離れて暮らす老人、家事で忙しい主婦、塾帰りの子どもなど、あらゆる人が訪れる。これほど人々に広く利用されているのは、コンビニがそれだけ便利だからだろう。しかし、①その理由は便利さだけだろうか。
 コンビニの経営について、ある店長に話を聞いてみた。すると、②こんな答えが返ってきた。「一番大切にしているのは、お客さんのことをよく考えて行動することです。例えば、小さい子どもが母親と買い物に来て、20円のチョコレート を買ったときは、ほかの品物とは別に小さい袋に入れてあげるとか、赤ちゃんを抱いている母親が買い物をしたら、車まで荷物を持って行ってあげるとか。」小さいことだが、スタッフの優しさを感じさせる話だ。
 「気持ちのいい店だな。」「また来よう。」―客にそう思わせるのは、客のことを考えている気持ちが自然に伝わるからだろう。

(1)この文章では、コンビニでは何ができると言っているか。


(2)①その理由とあるが、何の理由か。


(3)②こんな答えとあるが、どんな内容か。


(4)この文章で一番言いたいことは何か。


 2011年現在、日本の人口1億2780万人のうち、65歳以上の高齢者は2975万人で、過去最高になった。また、65歳以上の高齢者がいる家庭のうち、約25%が一人暮らしの家庭、約30%が夫婦のみの家庭で、一人または夫婦のみで暮らす高齢者が年々増加している。①そうした状況の中で、利用者が増えているのが、配食サービスだ。

 配食サービスとは、栄養バランスのよい食事を定期的に届けるサービスで、1食400円ぐらいで利用できる。配食サービスの主な目的は2つある。

 1つ目は、栄養バランスを一番に考えた食事を届けることによって、利用者の健康維持に役立つことだ。その栄養バランスの良さが注目され、最近では、高齢者ばかりでなく、若い人の利用も増えているそうだ。特に、子どもを産んだ直後の女性や、健康には気をつけていても忙しすぎる人などが利用しているという。

 2つ目は、食事を届ける時に「お変わりありませんか」などと聞くことによって、利用者の健康状態を確認したり、社会的孤立(注)を防いだりすることだ。実際に、配食サービスの効果を調べたある調査によると、「定期的に人が来てくれるので、急に倒れても早く対応してもらえるという②安心感がある」「人と話す機会が増えた」などの回答が多かったそうだ。

 配食サービスを行う企業や団体が増え、利用者は、自分に合った食事の味や費用、配食の回数などが選びやすくなっている。今後、利用者はますます増えるだろう。

(注)孤立:一人だけで、つながりや助けがないこと

(1)①そうした状況とは、どのような状況か。


(2)ここで言う、②安心感とはどのようなものか。


(3)この文章で書かれていることと合っているものはどれか。


(4)この文章は主に何について書かれているか。


 東京にはいろいろな種類の美術館、博物館が数多くあり、どこへ行ったらいいのか迷うほどだ。
 ①そんなときとに人々が参考にするのは新聞やテレビでの広告だ。ヨーロッパの有名な○○美術館の名作が東京に来ることになると、新聞に大きい広告が出たり、テレビではそれに関連する番組を流したりする。そういった情報を耳にすると、「ではさっそく行ってみよう」となる。だから、そういう特別な展覧会はチケットを買うところから行列、行列である。目的の名作は長い間待たされたあげく、人込みの間からちらっと見られるという②残念な結果になることが少なくない。
 ところが、実は多くの美術館がそれぞれよい作品を持っていて、いつでもわりに安い料金で見ることができるのだ。それが③案外知られていない。特別展で名作を見るのに疲れた客は、たいていこれを知らずに通り過ぎてしまうことが多く、なんとももったいない。
 インターネットで調べれば、どんな作品がどこの美術館にあるのかは、ちゃんと調べられる。ゆっくり鑑賞できる普通の展示品をもっと大切にしたいものだ。込んでいる満員電車のようなところで名作を味わうのは、ちょっと悲しい。

(1)そんなときととあるが、どんなときか。


(2)②残念な結果になるとあるが、「残念な結果」とはどんなことか。


(3)③案外知られていないとあるが、何が知られていないのか。


(4)筆者がこの文章で一番言いたいことは何か。