恋⼈や結婚相⼿の考えていることがわからないと⾔う⼈がときどきいる。しかし、相⼿に⾃分と同じような考えを期待するほうが間違っているのではないだろうか。
 先⽇、男⼥の違いについて⾯⽩い話を聞いた。それによると、いくつかのばめんで、男性と⼥性の考え⽅や⾏動のしかたが⼤きく違うようだ。 a) と b) のどちらが男性でどちらが⼥性のことを⾔っているか、考えながら読んでほしい。

1. 買い物について
 a) いつも200円のものが100円になっていると、必要がなくても買う
 b) いつも100円のものが200円になっていても、必要ならば買う。

2. 将来について
 a) 結婚するまでは将来について⼼配をしている
 b) 結婚するまでは将来について何も⼼配していない。

3. 結婚について
 a) 相⼿に変わってほしいと期待しているが、相⼿は変わらない。
 b) 相⼿に変わらないでほしいと期待しているが、相⼿は変わる。

 さて、a) と b)、どちらが男性で、どちらが⼥性か、すぐにわかっただろうか。a) が⼥性で、b)が男性なのだそうだ。確かに⾃分や⾃分の周りの⼈を⾒ていると、当たっているようにも思える。男⼥はもともと違うものだと考えたほうがよさそうだ。
 相⼿は⾃分と違うのだから、違いを埋めていくための努⼒がなければ、良い関係を作ることはできないと思ったほうがいいだろう。

(5)買い物について男性はどうだと⾔っているか


(6)将来について⼥性はどうだと⾔っているか


(7)結婚について男性はどうだと⾔っているか


(8) この⽂章で⼀番⾔いたいことは何か


 富⼠⼭は標⾼(注1)3776メートルの⽇本⼀⾼い⼭で、世界⽂化遺産でもある。登⼭道が整備されているため、毎年何⼗万⼈もの⼈が⼭頂(注2)を⽬指すそうだ。私もツアーに参加して登ることにした。
 登りはじめは楽だった。でも、3時間ぐらいすると、だんだん岩が多くなり、登りにくくなってきた。その上天気も悪くなり、前も後ろも真っ⽩で①ほとんど⾒えなくなってしまった。そこはちょうど雲の中だったのだそうだ。何も⾒えずに、ただ⼀歩ずつ前に進むしかなく、この時は不安でつらかった。しばらくすると、急に天気が良くなった。雲が移動したのではない。私たちが雲の上に出たのだ。⾜の下には雲が海のように広がっていた。素晴らしい景⾊を⾒たら元気が出てきて、⽬標の⼭⼩屋(注3)に予定時間に着くことができた。私たちはそこで⼀泊した。
 次の朝、まだ暗いうちに⼭⼩屋を出発して⼭頂まで登ったが、②そこでは⼤勢の⼈が太陽を待っていた。やがて、薄暗かった空が次第に明るい⻘⾊になって、そして空の下の部分だけがオレンジ⾊に変わってきた。そして、太陽が静かに昇り始め、まぶしい光が伸びてきた。光はどんどん強くなり、私たちを照らしてた。⼭頂がとても寒かったが、太陽の光が当たって⾝体が温かくなるのを感じた。
 富⼠⼭に登るのは⼤変だったが、登らなければできない素晴らしい経験がいくつもできた。毎年登る⼈もいると聞くが、その⼈たちの気持ちがよくわかる。

(注1)標⾼︓海⾯からの⾼さ
(注2)⼭頂︓⼭の⼀番上
(注3)⼭⼩屋︓ ⼭にある宿泊や休憩や避難などができる施設

(9)①ほとんど⾒えなくなってしまったとあるが、どういうことか


(10)②そことあるが、どこか


(11)富⼠⼭から⾒た、太陽が昇る様⼦について正しいものはどれか


(12)この⽂章を買いた⼈は富⼠⼭登⼭についてどう思っているか


評論家という仕事がある。ある分野について深い知識を持ち、⼈々が参考にできるような解説や
評価などをする仕事である。今では、政治評論家、経済評論家からラーメン評論家まで、あらゆる
分野の評論家がテレビや雑誌などで活躍をしている。しかし、医者や学校の先⽣のように、評論家
になるための資格試験があるわけではない。彼らは⼀体どうやって評論家になったのだろうか。
彼らの多くは必ずしも評論をするために深い知識を得たのではない。若いころからある分野に対し
て⼈並み外れた(注1)知識や興味を持っており、夢中でそれを学ぶうちに、いつの間にかそれを仕事にすることになったと⾔う⼈も多い。好きな分野を仕事にできるとはうらやましい話だ。①ただ⼈並み外れた深い知識があれば評論家になれるというものでもないだろう。評論家として収⼊を
得るためには、新聞や雑誌、テレビなどのマスメディア(注2)に取り上げられなければならな
い。
マスメディアに取り上げられるためには、⼈々が納得し、話を聞きたくなるような説得⼒や魅⼒
があることさらに、マスメディアに登場するチャンスを得る運の強さも必要だろう。
⼈並みは外れた知識、⼈々が⾔うことを聞きたくなるような説得⼒や魅⼒、そしてチャンスをつか
む運がそろって初めて評論家になれるのかもしれない。

(注1)⼈並み外れた︓他の⼈と⽐べて⼤きく違う
(注2)マスメディア︓新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどの⼤勢の⼈に向けての情報発信の⼿段

(13) 評論家と医者や先⽣はどこが違うと書かれているか


(14)評論家の多くはどんなことが仕事につながったとあるか


(15)①ただ⼈並み外れた深い知識があれば評論家になれるというものでもないとあるが、どうい うことか


(16)本⽂によると②マスメディアに取り上げられるためには何が必要か


 夏休みに私はある町を旅⾏した。そこは私が学⽣時代に⼤好きだった作家が⽣まれ、活躍した町である。いつかはそこをこの⽬で⾒てみたいと思っていたのが、やっと実験したのだった。
 もう彼が亡くなって何⼗年も経っているため、様⼦はすっかり変わってしまったはずである。それでも彼の⼩説の舞台となった、緑の美しい町を歩くのは楽しかった。だが、私が社会⼈になってからは彼の書いたものをほとんど読まなくなったせいか、それ以上の感激はなく、正直に⾔うと少し物⾜りない気持ちだった。
 ところが、ある記念館に⼊ったときのことである、そこでは、彼の書いた原稿(注1)や⼿紙の展⽰(注2)をしていた。それを⾒ているうちに、次第に昔読んだ⼩説や詩の内容が思い出されてきた、特に、彼の妹が亡くなったときに書かれた。詩の原稿を読んだときには彼の悲しみが痛いほど近くに感じられたのである。⼿書の⽂字というのは、時間がどんなに流れていても、その⼈がどんな⼈だったのか、その⼈が何を感じていたかを強く表していることに気がついた。
 字の下⼿な私は、できるだけパソコンを使っていた。だが、それ以来、時には下⼿でも⼼をこめて字を書くことで、何かが伝わるのではないかと思い始めている。

(注1)現⾏:体を出したり、発表をしたりするために⽂章を書いた紙
(注2)展⽰:ものを並べて⾒せること

(17)この⽂章を書いた⼈はある町を歩いて、どのような気持ちになったか


(18) この⽂章によると、この⼈は記念館で何を⾒たか


(19)それ以来とあるが、どのようなことか


(20)この⽂章を書いた⼈が⼀番伝えたいことは何か


 「花屋ダイヤリー」は⼀軒の花屋が舞台の⼩説です。花屋のアルバイト店員と、花を買いに来るさまざまな客との関わりが、ていねいに描かれています。
 作者の⼭⼝静かは2012年に「⼀⼈」で⼩説最優秀賞を取った注⽬の⼥性作家です。若者の純粋さを、愛情を持って表現するところに⼈気があります。
 「花屋ダイヤリー」では、学校にも⾏かず仕事もしない17歳のユウが主⼈公(注1)です。何も興味を持ってなかったユウは、⼩さな花屋でアルバイトを始めます。そこには毎⽇、1輪だけ花を買いに来るおばあさんや、ゲーム機と交換に花を買いたいと⾔う⼩学年など、少し変わった客が次々と現れます。客はみなユウに花を選んでほしいと⾔います。困ったユウは、どうしてその花を書いたいのか、誰のための花なのかなど、①事情を客にたずねます
 客と話をするうちに、ユウは⼈との関係の⼤切さや働く意味など、いろいろなことを考え、変わりはじめます。何の喜びもない⽇々を送っていたユウが、働いて⼈の役に⽴つ中で明るく強くなっていく様⼦に、読者は②元気づけられるでしょう。それは作者から読者へのエール(注2)でもあります。また、たくさんの花の名前と花⾔葉(注3)が紹介されているので、だれかに花を贈るときに役に⽴つ知識も得られます。
 ⼈間関係に少し疲れているときや⽬標が⾒つけられないときに読むと、⼈が好きになり⼼が元気になる⼀冊です。ユウと同年代の⼈にぜひ読んでほしいです。

(注1)主⼈公︓⼩説などの中⼼⼈物
(注2)エール︓スポーツなどの試合で選⼿を応援するときの声・声援
(注3)花⾔葉︓⼀つ⼀つの花に意味を待たせたもの。バラは「愛」など

(21)本⽂によると、⼭⼝しずかはどんな⼈だと書かれているか


(22)①事情を客にたずねますとあるが、なぜか


(23)②元気づけられるとあるが、なぜか


(24)「花屋ダイヤリー」で作者が読者に⼀番伝えたいことは何か