(1)
先⽇、友だちに誘われて初めて富⼠⼭に登った。⽇本でいちばん⾼い⼭だから、いつかは登りたいとずっと思っていたので、友だちの誘いはうれしかった。⼭登りに慣れていない私には、途中で帰りたくなるほど⼤変だった。でも、上に⾏けば⾏くほど、素晴らしい景⾊が広がった。
そして、頂上に着いて⽇の出を⾒たときは、感動で涙が出た。雲の間からこぼれる朝⽇はとても美しかった。それは①写真をとるのも忘れてしまうほとだった。
しかし、残念だったことがある。それは登⼭の途中に、たくさんのゴミを⽬にしたことだ。ペットボトルや飲み物の⽸、そしてお菓⼦の袋などだ。そうしたゴミを⾒るたびにいやな気持になった。②下から⾒る富⼠⼭はとてもきれいなのに、実際はこんななんだと思うと悲しくなった。また、外国の⼈も何⼈か⾒かけたが、その⼈たちに対しても③はずかしくなった。
今「富⼠⼭をきれいにしよう」という運動が⾏われているようだが、⼀部の⼈だけでなく、⼭に登る⼈④全員がそう思わなくてはいけない。⼭に登るのは体にもいいし、美しい景⾊も楽しめる。頂上に着いたときの気持ちは、ことばで表せないほどだ。みんなが気持ちよ登⼭を楽しんでいるのだから、マナーは守らなければいけないと強く思った。
(2)
⽇本はロボットの開発(注1)が進んでいる国だ。ある⾃動⾞の会社では何年もかかって⼈間と同じように歩ける⼆⾜歩⾏(注2)のロボットを作ることのやっと成功した。
ロボットには⼤きく分けて⼆つの種類がある。⼀つは⼯場や病院で⼈間のかわりに働くロボットだ。もう⼀つは、⼈の⼼を楽しくさせるロボットだ。友⼈の家には①おもしろいそうじ機がある。そのそうじ機は、外出するときにスイッチをi⼊れると、ゴミのあるところをさがして⾃動で働いてそうじしてくれるのだ。そして、そうじが終わると、もとの位置にもどっていて、友⼈が帰宅するときには部屋がきれいになっているそうだ。また、病気などでは、②ボタンを押すと飲み物や⾷べ物をベッドのそばまで運んできてくれるロボットもあるそうだ。⼈を楽しませてくれるロボットとしては、動物の形をしたものがある。⽝やねこの形をしていて本物そってり鳴く。こちらのことばに答えたり、怒ったり喜んだりもする。まだ、⼈の形をしたもので、楽器を演奏したり歌を歌うものもあるらしい。③そうじをしてくれたり、⼯場で使われているようなロボットはいいとしても、病院で⾷事を運んでくれる、ペットのかわりをするといったロボットは確かに便利なのでいいように思うが、ロボットに運んでもらったものがおいしいだろうか。そしてロボットの⽝に本当の⽝の役割がどこまでできるのだろうか。④ロボットを使う⼈の気持ちを考えると、悲しいものに思えてくる。
(注1)解発︓新しいものを考えて実際に使えるようにすること
(注2)⼆⾜歩⾏ ︓⼈のように2本の⾜で歩くこと
(3)
⽇本⼈は「r」と「l」の区別がつかない。「r」も「l」も「ラ」⾏に聞こえてしまう。①いくら英語の勉強をしても、この区別を聞き分けるのはむずかしい。これは⽇本⼈の⽿が劣っている(注1)ということではない。同じような例は、欧⽶(注2)にもたくさんある。
(中略)
要するに、⼈間は⽂化という⾊眼鏡を通して、世の中を⾒ているということなのだ。たとえば⽇本⼈とフランス⼈に太陽の絵を描かせると、②⽇本⼈は太陽を⾚で描き、フランス⼈は⻩⾊で描く。そればかりか、⽇本⼈は太陽を⾚いと思っているし、実際に、⾚く⾒える。これは、「太陽は⾚い」という⽇本⽂化と「太陽は⻩⾊い」というフランス⽂化の違いを物語っている。つまり「太陽が⾚い」というのは、⽇本の⽂化が決めたものであって、それは世界の共通の認識(注3)ではない。
我々は⽂化が強制する(注4)ものの⾒⽅を知らず知らずのうちに⾝につけ、太陽を⾒たときにも「⾚く」⾒えるのだ。同じものを⾒ても、同じ⾳を聞いても、⽂化によって⾒え⽅、聞こえ⽅が違うのは、⽬でものを⾒るのではなく、③⽂化という「⾊眼鏡」を通して⾒ているということなんだ。
このような⽂化が世界のあちこちにある。そのため、⽂化と⽂化が衝突し、④紛争(注5)が起こっているわけだ。異⽂化(注6)を頭で理解することはできる。しかし、⼼の低から理解して、たとえばネズミを⾷べる⼈と⾷事を同席しているられるか、⼀緒にネズミを⾷べられるか、となると、かなりむずかし⾯も含んでいると⾔えるだろう。
(注1)劣っている ︓ ほかのものと⽐べてよくない
(注2)欧⽶ ︓ヨーロッパとアメリカ
(注3)認識 ︓理解していること
(注4)強制する ︓無理にさせる
(注5)紛争 ︓争い
(注6)異⽂化 ︓ ⾃分とは違う⽂化
ジョギングは、⾛ることを楽しむスポーツです。せっかくジョギングを始めても、2⽇か3⽇でやめてしまう⼈がいます。そういう⼈は、⾛る楽しみを⾒つけられないまま、⾛ることは苦しいものだと思ってしまうのです。
⾛る楽しみは、⽬標を少しずつ⾼くていくことで⽣まれます。例えば「2キロを15以内で⾛る」という⽬標を決め、それに向けて計画を⽴てる。⽬標のとおり⾛られたら、次の⽬標を決める。この繰り返しが⾛る楽しみを⽣むのです。
それには、計画をしっかり⽴てることが⼤切です。これからジョギングを始めようと思っている⼈は、次のようにするといいでしょう。まず、最初の⼀ヶ⽉は、とにかく2キロを、1キロ10分程度の速さで⾛ることから始めます。これは、⾛るより歩くのに近い速さです。これから、初めて⾛る⼈にも難しくありません。疲れたら、歩いてもいいのです。次第に、1キロを8分、7分とスピードを上げていきます。1キロ7分の速さで⾛ると「歩き」よりも「⾛り」ひ近くなります。
次の⼀ヶ⽉はかかる時間を気にしないで2キロを⾛り、次の⼀ヶ⽉は3キロを⾛るというように、少しずつ距離を延ばしていきます。個⼈差がありますので、⾛る距離もスピードも、⾃分の⼒に合わせて無理のない計画を⽴ててください。1キロ5分の速さで⾛り続けられたら、マラソンの⼤会に出る⼒があると⾔っていいでしょう。
このように、⽬標を決め、計画を⽴てて⾛ることで、ジョギングを楽しむことができるのです。
日本はロボットの開発(注1)が進んでいる国だ。ある自動車の会社では、何年もかかって人間と同じように歩ける二足歩行(注2)のロボットを作ることにやっと成功した。
ロボットには大きく分けて二つの種類がある。一つは工場や病院で人間のかわりに働くロボットだ。もう一つは、人の心を楽しくさせるロボットだ。友人の家には①おもしろいそうじ機がある。そのそうじ機は、外出するときにスイッチを入れると、ゴミのあるところをさがして自動で動いてそうじしてくれるのだ。そして、そうじが終わると、もとの位置にもどっていて、友人が帰宅するときには部屋がきれいになっているそうだ。また、病院などでは、②ボタンを押すと飲み物や食べ物をベッドのそばまで運んできてくれるロボットもあるそうだ。人を楽しませてくれるロボットとしては、動物の形をしたものがある。犬やねこの形をしていて本物そっくりに鳴く。こちらのことばに答えたり、怒ったり喜んだりもする。また、人の形をしたもので、楽器を演奏したり歌を歌うものもあるらしい。③そうじをしてくれたり、工場で使われているようなロボットはいいとしても、病院で食事を運んでくれる、ペットのかわりをするといったロボットは確かに便利なのでいいように思うが、ロボットに運んでもらったものがおいしいだろうか。そしてロボットの犬に本当の犬の役割がどこまでできるのだろうか。④ロボットを使う人の気持ちを考えると、悲しいものに思えてくる。
(注1)開発:新しいものを考えて、実際に使えるようにすること
(注2)二足歩行:人のように2本の足で歩くこと