先日、新聞に動物が減っているという記事がのっていた。その新聞にはトラ(注1)のことが書いてあった。世界で自然にいるトラは、だいたい3400頭~5100頭と言われている。100年前には10万頭いたとされるが、その3%~5%に減ってしまった。そのうち3種類のトラがすでにいなくなった。最も多い種類のトラでも、2000頭程度だそうだ。なぜ、こんなに減ってしまったのだろうか。それは、開発(注2)によってトラの生活している森林などが壊されたり、毛皮や薬の原料にすることを目的としてトラを殺したからだそうだ。こうしたことはトラだけではなく、いろいろな動物や植物にも起こっている。開発は人間の生活を便利で豊かにするために行われる。おかげで、私たちは自由に旅行をしたり、自宅で世界中の情報を見られるほど豊かになった。しかし、一万でこのようなことが起こっていることも知る必要があるだろう。
(注1)トラ:動物
(注2)開発:森林などを人の役に立つようにすること
(1)
わが家は来月引っ越しをします。ほとんどの家具は新しい家に持っていきますが、ソファだけは買い替える予定です。
このソファは、夫も私も気に入っているので、本当は持っていきたかったです。でも、今度の家は今の家より狭いので、あきらめました。
それで、今新しいものを探しているところです。でも、なかなか二人が納得 なっとく できるものがなくて困っています。夫は腰 こしが悪いので、よい姿勢 し せ い で座れることが大事だと考えています。そういうソファは、少し硬 かためのものが多いのですが、私は柔 やわらかいソファが好きです。今のソファは、柔らかくて気持ちがいいけれど、よい姿勢で座れるので、二人ともとても満足しています。家具店を何軒 なんげん も回 まわってやっと見つけたものです。
今回も、まあまあいいと思えるソファはありました。一度はそれを買おうかとも思いましたが、やめました。|やはり私たちにぴったりのソファが見つかるまで、しばらくはソファのない生活で我慢 が ま ん しようと思います。
(2)
先日、私は昔の新聞のページを印刷い ん さ つするサービスがあるのを知り、父の誕生日にプレゼントしました。初めは父の生まれた日の新聞のコピーにしようと思いましたが、父が中学生になって最初の誕生日の新聞にしました。ふだんはあまりしゃべらない父が、その中の記事を見て、「これ、懐かしいな。」と昔の話を始めました。
なら父によると、一 流店が並ぶ東京の中心地に、日本では まだ 珍しいファストフード店ができたとき、大きなニュースになったらしいのです。実は安い店だったのに、父は「そんな場所にできたのだから、お金持ちしか行けない高いレストランなのだろう。」と思ってあこがれたそうです。「ファストフード店は安いって、今なら小学生でも知っているのに、そんなイメージを持っていたんだから、おかしいだろう。」と笑いました。
父から子供時代の話を聞いたのは初めてでした。父が身近に感じられてうれしかったです。また、こんな話が聞けたらいいなと思いました。昔の新聞のおかげです。
富士山は東海道新幹線(注1)の中からも見ることができる。
富士山が見えると、カメラを取り出して写真を撮る人も多いが、とても速く走っている新幹線の中できれいに撮るのは 難しい。上手に撮るにはコツ(注2)がいる。
まず、富士山側の席を取ることが大切である。これが取れなかった場合は、残念だが今回はあきらめよう。
富士山が電線に邪魔されずに一番きれいに見えるのは、富士川(注3)を渡っているときである。ここでいい写真を撮るためには、大阪方面から乗ったときがいい。なぜなら、東京方面に向かうときは、川を渡った後、新富士駅(注4)を通過するために少しゆっくり走るので、写真もゆっくり撮れるからである。逆に大阪方面に向かうときはスピードを上げるので、はっきり取れなくなってしまう。
これからのコツを頭に入れて(注5)思い出の一枚をとってもらいたい。
(注 1) 東京道新幹線 : 東京から九州まで走っている新幹線のこと
(注 2) コツ : 何かをするためのいい方法
(注 3) 富士川 : 静岡県を流れる川の名前
(注 4) 新富士駅 : 静岡県にある駅
(注 5) 頭に入る : しっかり覚えておく
その日の午後になるまでは、だれもそれに気づかなかった。最初に気がついたのは僕だ。本当のことをいえばジョンだけど、ジョンはすぐに僕に教えてくれたんだし、ジョンは僕の犬だから、僕が見つけたと言ってもいいと思う。正直にいえばジョンは僕の犬というわけじゃなくて、 妹と僕の二人のものだけど。そんなことはどうでもいい。ちょっと僕は動揺ど う よ うしているみたいだ。
ジョンが草むらからくわえてきたものを見たとき、僕は始め、おもちゃだとおもったんだ。だれかが捨てた人 形の一部だと。 まさかそれが本物だなんて、 本物の人間の手首だなんて、 思うわけがないじゃないか。ジョンから渡されて手に持ったときだって、 冷たくてカチンカチンだったし、 全然分からなかった。その手に毛が生えているのに気づくまでは。
秋になり、文房具屋に来年の手帳が並ぶようになった。一般的に、手帳を選ぶ場合に重 要なのは、書きやすさ、見やすさだろう。大きさも大切な点だ。だが、私がいちばん大切 にしているのは、表紙だ。絵や柄で選ぶ人もいるが、私は色で選ぶ。
いつも手帳を持ち歩く私は、手帳の色に影響を受けていると感じることがある。予定を 書いたり、友達と会う場所を確認したりするため、一日に何度もかばんから取り出すが、 そのたびに表紙の色が目に入るからだ。それで、この数年は元気が出るように派手な表紙 のものを選んできた。今使っているのも、明るいオレンジ色だ。考えてみると、手帳は家 族や親友より、一緒にいる時間も長いのだ。
でも、今年は手帳選びに時間がかかっている。30歳になり、もっと落ち着いた気持ちで 仕事をしたいと思うようになってきたのだ。そうは言っても、ストレスのたまる仕事なの で、やはりこのまま元気の出る赤や黄か、気分の落ち着く黒や茶か、なかなか決められな いでいる。
「負けないで。君は一人じゃない。」
今朝、車で駅に向かっている時、赤信号で止まっていると、ラジオから懐かしい曲が流 れてきました。ずっと聞いていなかった曲です。隣に座る高校生の娘に「これ、お母さん の若いころの応援歌だったのよ。」と言ってしばらく聞いていると、涙が出そうになって 困りました。①「お母さん、青。」という娘の声で、慌ててアクセルを踏んだのですが、娘に笑われてしまいました。
20代の初め、会社に勤め始めてすぐのころの私は、毎日失敗ばかりして泣いていました。 よくしかられ、人間関係にも悩んでいました。そんな時、いつも②この曲を聞いていたので す。「負けないで。君は一人じゃない。」という言葉に慰められ、この曲を聞くと、頑張 ろうという気持ちになりました。
あれからもう20年です。泣きたくなるような苦しいことも、いつのまにかなくなりまし た。③今はきっと幸せなのだと思います。今日、本当に久しぶりにこの曲を聞いたのですから。
(1)
日本には四季があり、昔から季節ごとに「旬」の食材を楽しんできました。例えば、夏の野菜と言えばキュウリやスイカ、冬の野菜と言えば大根が代表的です。しかし最近は、ほとんどの食材が一年間スーパーで売られ、「旬」が分からない消費者が増えています。それは残念なことです。
旬のものを食べることには多くの長所があります。まず、その食材の旬の時期に収穫されたものは、最もよい条件で自然の恵み(注1)を十分に蓄えながら育ったものです。当然、味は最高においしく、栄養も豊富です。また、旬の物は、その季節に私たちの体からだが必要とするものを与えてくれます。例えば、夏の野菜のキュウリは水分が多く、汗で失われた水分を補ってくれます。さらに、旬のものを選えらぶことは環境にもいいのです。一年を通じて生産が可能なハウス栽培(注2)は便利ですが、温度管理が必要なため、ガスや電気を大量に消費し、環境に負担となるのです。ぜひ、旬を考えて食材を選えらびましょう。消費者がもっと旬の食材を選えらぶようになれば、スーパーも季節に合った食材が増えていくでしょう。
(注1)自然の恵み:食べ物や資源など自然から得られるありがたいもの
(注2)ハウス栽培:ビニールを使った小屋の中で温度を管理しながら野菜などを育てること
(2)
私にとって、中学校でのサッカー部の思い出は忘れられないものになった。中でも、コーチの山下先生は、私の人生に最も影響を与えてくれた人だ。
山下先生はとにかく厳しかった。朝からグラウンドを何周も走らされ、チームの誰かがミスをすれば全員が叱られた。力ちからを抜くことは決して許されなかった。その辛からさに耐えられず、年生になる前にサッカー部を辞めようと思った。ところが、2年生になっても辞めることはなかった。少しずつ自分が成長している実感があり、また試合に勝った時やゴールを決めた時の喜びを感じ始めていたからだ。
時には調子が悪くなって、悩む時期もあった。そんな時でも、山下先生は試合のメンバーから私を外さず、いつも励ましてくださった。また、チームの仲間が支えてくれた。
山下先生との出会いを通して、協力をする大切さや人を思いやる(注)大切さを学んだ。この二つは、教師になった今も、常に心にとめていることだ。
(注)思いやる:その人の気持ちになって考える
(1)
子どもの習い事として人気の高い「書道」ですが、これはただの「字を上手に書く練習」ではありません。
書道をやると、まず集中力が身につきます。一度墨(注1)で紙た書いてしまったら、えんびつで書くときのように消しゴムで消すことはできません。そのため、書く前に心を落ち着かせ、字の形や筆(注2)での動かし方を頭の中に思い浮かべます。①その書き方に治って字を書くので、自然に紙や手に心が集中するのです。
それから、②道具をあつかう力が身につきます。筆や墨は、正しく持って上手に使わないと、服を汚したりします。子どもたちは、道具の正しいあつかい方には意味があると学ぶのです。また、自分の道具を自分で準備したり片づけたりするのも大事な勉強です。
このように、書道によって、字が上手になるだけでなく、人生に必要な基礎の力をつけることができます。子どもに書道を学んでほしいと考える親は、今後もいなくなることはないでしょう。
(注1)墨 : 書道で使う黒いインク
(注2)筆 : 時をつけて字を書くための道具