先日、新聞で、「国民の幸福度調査」の結果を見ました。仕事や教育、健康などについて、国民がどのくらい「幸せだ」と感じているかを数字で表して、国際比較したものです。日本は19位で、先進国の中では、かなり低い順位でした。驚いたというより、①「やっぱり」と思いました。私も含め、日本人は、あまり幸せだと感じていないようです。

でも、GDP(注)が日本の20分の1というブータン王国では、なんと、国民の95パー セントが「幸せだ」と感じているということです。そして、何があれば幸せと感じるかというと、「いい人間関係」でした。ブータンでは、地域が一つの家族の ように支え合って生活しているのだそうです。「健康と金と家族があれば幸せ」と感じる日本人とは違って、ブータンの人の幸せに「お金」は、あまり関係なさそうです。日本人も、そろそろ、幸せの価値を見直したほうがいいのではないでしょうか。

(東京都 主婦 56歳)

(注)GDP:国内総生産。Gross domestic product

(1)この人は、何を①「やっぱり」と思ったのか。


(2)ここでは、ブータンの国民はどんな考えを持っていると、言っているか。


(3)この文章で、この人が言いたいことはどれか。


 現在の日本では、「リサイクル」ということばは、「使わなくなったものを人の手で回収し(注1)、新しい製品を作る原料や材料として利用すること」という意味で使われている。読み終わった新聞や雑誌を集めて紙の原料を作り、トイレットペーパーなどの製品にする、というのが、一つの例だ。
 江戸時代にも、古い紙から紙を作ったりすることはあったが、その量は、今ほど多くなかった。原料がたくさんあったからとか、使う人が少なかったからとかいうわけではない。わざわざ古い紙を回収しなくても、人が普通に生活しているうちに、資源(注2)が自然に循環(リサイクル)していたのだ。
 なぜそんなことができたかといえば、それは、資源のほとんどが、植物性のものだったからだ。食べたり、使って捨てたり、燃やしたりしても、それは、土に返り、また植物を育てる。つまり、植物の自然の循環(リサイクル)に合わせて、人間が生活していたということなのだ。

(注1)回収する:一度配ったものをまた集める
(注2)資源:自然のなかにある原料や材料

(1)どうして、多くなかったか。


(2)江戸時代の日本人の生活として、正しくないものはどれか。


(3)今と江戸時代のリサイクルについて、正しく説明しているのはどれか


 中国に住んでいた頃、中国人の友人の家に遊びに行ったことがある。そのとき、こんなことがあった。
 私が、トイレに行きたくなったとき「トイレを借りてもいい?」、のどがかわいたとき「冷蔵庫のお茶をもらってもいい?」と聞くたび、友人が①変な顔をした。そして、彼女は私に言った。「なぜ、あなたはいちいち『いいですか』と聞くの?私とあなたは親しい友人なのだから、私の家にいて、お茶を飲むのも、トイレを使うのも、『いい』に決まってる。だから聞かないで。」
 私はびっくりして、「ごめん、わかった」と言った。そうか、私が当たり前だと思ってすることが、彼女にはよそよそしく(注)感じられ、不快なのだと気づいた。それは文化の違いなのだろう。
 それ以来、私はできるだけ聞かないようにした。しかし、それは②なかなか難しかった。「聞かないで友人の家のものを開けたり使ったりする」こと自体が、私にはどうしても「不快」に感じられてならないからだった。
(注)よそよそしい:友達のようでなく、冷たい感じ

(1)友人は、どうして①変な顔をしたたのか。


(2)②なかなか難しかったとあるが、なぜか。


(3)この人の言いたいことは、どれか。


 人間の睡眠時間(注1)だいたい8時間ぐらいだと言われている。何かの理由で5時間しか寝ることができなかった場合は、その不足分がたまっていく。
 寝不足(注2)を元に戻すために、休みの日に多めに12時間寝られるかというと、①そうもいかない。他の用事があるし、第一、明るいと寝られない。したがって、ずっと寝不足になり、②疲れもたまっていく。しかしながら、1か月前からの古い寝不足をずっと持っているわけではない。ゆっくり時間がとれるときにいつもよりも1時間でも多く寝ることで、実際にはかなり回復するのである。
 一方、寝すぎもよくない。ゆっくり寝られるからといって、日曜日の昼過ぎまで寝てしまうと、睡眠のリズムが崩れて、日曜日の夜、眠れなくなり、月曜日に体の調子が悪くなってしまうこともあるらしい。
 だから、(③ )。

(注1)睡眠時間:寝る時間
(注2)寝不足:寝る時間が足りないこと

(1)①そうもいかないとはどういう意味か。


(2) たまった②疲れについて、どのように言っているか。


(3)( ③ )にはどのような言葉が入るか。


 日本の家庭では、父親は外で仕事をし、家事(注1)や子育てなど家の中での仕事は母親の仕事とされることが多かった。しかし、最近は、結婚後も仕事を持つ女性が増え、男性のほうでも、家事や子育てをしたいと思う人が増えているそうだ。2009年の調査で、0歳から6歳までの子どもを持つ男性に聞いたところ、「家事や子育てをもっとしたい」という人は、54%もいた。子どもが成長する姿をもっと見たい、と思う男性が多いようだ。
 しかし、そうは言っても、実際には、家事や子育てのほとんどは女性がしている。2011年に、20歳から39歳までの妻に「夫と妻がそれぞれ家事や子育てにかける時間の比率(注2)はどれぐらいですか」という質問をしたところ、最も多かったのは、「妻:夫=9:1」(29%)と「妻:夫=8:2」(24%)という回答だった。
 これでは、女性は、安心して働くことができない。男性からは、「家事や子育てをしたいと思っても、会社が忙しくてできない」という声もあがっている。男性がもっと家の中での仕事ができるよう、国や会社は考えてほしいものだ。
(注1)家事:料理、掃除、洗濯など、毎日の生活に必要な家での仕事
(注2)比率:割合

(1)この文章では、日本では最近、どのように考える男性が増えている、と言っているか。


(2)この文章では、最近の日本の妻について、どう言っているか。


(3)この文章を書いた人が最も言いたいことは、どれか。


 自然の中でほっと心が落ち着いたことはありませんか。
 旅先であなたが撮った忘れられない風景写真、あるいは、毎日の生活の中に見る美しい自然の写真を1枚送ってください。自然が写っている物に限ります。カラーでも白黒でもいいですが、人物が入っている物は認められません。
 採用された方の写真はパネルにして文化センターのロビーにて展示されます。写真展終了後、写真パネルは撮影された方にプレゼントいたします。なお、写真展の全写真を1冊にまとめたカタログ集を、希望者に700円にてお分けいたします。
 応募写真はお1人さま3枚まで受け付けます。Lサイズ写真の裏にそれぞれ住所氏名を書き、封筒に入れ、文化センターまでお送りください。みなさまからの心温まる写真をお待ちしております。

(1)写真展の写真として送るには、次のどの写真がいいか。


(2)写真を送るときの注意点は何か。


(3)写真展に写真を採用された人は何ができるか。


 予定がないと不安になる人がいる。先日、喫茶店で見かけた女性がそうだった。
 彼女はバッグの中から、赤い手帳を取り出して、しばらく眺めていた。そして、突然電話を次々とかけ始めた。それでも飲み会や食事やデートの約束の埋まらない一日があるようだった。
 空白の木曜日。それが彼女には我慢できなかったらしい。最後には、いつも行っている美容院に電話をかけ、この間かけたパーマが気に入らないので、もう一度かけ直してほしい、来週の木曜日しか空いていないから、木曜に予約を入れてほしいと主張し、とうとう木曜日の予定を手に入れた。彼女は、真っ黒に埋められたページを見つけて、①満足そうにほほえんだ
 一方、私の手帳は真っ白だ。正確にいうと、昨日までの過去にはいろいろ書かれているが、今日から先はまるで白紙。未来には、何も書かれていない。彼女のように私も手帳を開いた。しかし、見つめても見つめても、予定は何も浮かばなかった。

(28)「喫茶店で見かけた女性」はどんな人だと言っているか。


(29)①満足そうにほほえんだ


(30)「私」の手帳はどんな手帳だと言っているか。


 現在、大都市では、夏の水不足が問題になっている。また、農村部でも年によっては、雨不足が米や野菜など農産物に大きな影響を与えている。そこで、水不足問題を解決するために、人工的に雨を降らせる研究が進められている。
 雨をどうやって降らせるのか。ごく小さい水や氷の粒が集まって空気中に浮かんでいるものが雲である。水分の多い厚い雲に飛行機を使ってドライアイスをまく。そうすると、空気の温度が下がり、雨が降るというわけだ。厚い雲の多い冬にダムの近くでそれを行うと効果的であるという結果も出た。また、台風などが近づいてきたとき、まだ雲が海の上にあるうちに雨を降らせて、大雨による洪水の被害を小さくしようという研究も進んでいる。
 この人工的に雨を降らせる方法が実現すれば都市の水不足や農業問題ばかりでなく、台風の被害などさまざまな対策に活用できるだろうと、各方面から期待が寄せられている。

(1)人工雨を効果的に降らせるにはどの方法が最もよいか。


(2)「ダムの近くでそれを行う」とあるが、「それ」とは何か。


(3)何のために人工的に雨を降らせる研究をしているか。


 ファーストフードの店が日本に登場したのは、約40年前だ。多くの人々は、おしゃれで都会的な西洋の食文化にあこがれたそうだ。楽しく食事ができることと、注文してから手渡されるまでの時間が短いことなどの理由で人気が高まり、次々と店がオープンした。
 最近ではファーストフード店を利用している人が多い一方で、「子どもには絶対に食べさせない」という家庭もある。ファーストフードは、油を使っているものが多くてカロリーが高いし、使われている食品の数も少なく、栄養が十分に取れない。その上、野菜も不足しがちになるという親の心配からなのだろう。
 もちろん、いつもファーストフードだけで食事をすませてしまうのはよくないが、ファーストフードを食べたらそのあと油の多いものをやめて野菜をたっぷり取るようにして、バランスのよい食生活をすれば、それほど問題はないのではないだろうか。
 つまり、冷静に食生活を考えることが大切なのだ。

(1)「ファーストフード」に人気があるのはなぜか。


(2)「ファーストフード」を子どもに食べさせない家庭があるのはなぜか。


(3)筆者は「ファーストフード」について、どのように考えているか。


 社会人が大学のキャンパスで学べる「区民大学」を本年も開きます。この区民大学は18歳以上で区内にお住まいの方か、お勤めの方ならどなたでも参加できます。これは区内さくら大学のご協力で3年前から開いているもので、さくら大学のキャンパスをはじめ、図書館や学生食堂なども利用できるので、社会人の方からとてもいい評判をいただいています。
 本年度のテーマは「環境教育学」です。区民の皆さんの関心の高い「環境」をテーマに、必要な知識や技術などを身につけていく教育活動型のプログラムです。今回は「社会における環境教育」から「ボランティア論」を中心に行っていきます。講義中心ですが、屋外での研修も予定されています。屋外研修は期間中の週末に1度実施します。本年度の講師は本学の里山先生です。里山先生は「環境教育学」の分野で有名な方で、これまで多くの指導者を育ててこられました。詳しくは区学習センターまでお問い合わせください。
 なお、人気のあるテーマの場合すぐ定員になってしまうこともありますので、お早めにお申し込みください。

(1)区民大学について、正しいものはどれか。


(2)どうして社会人に評判がいいか。


(3)本年度の「区民大学」ついて、ただしいものはどれか。