人は何か考えたり何かを思い出したりするときに、目を閉じたり、上を見たりするが、なぜ、そのような体の動きをするのだろうか。その動きには、どんな意味があるのだろうか。
何かを考えたり思い出そうとするときに、私たちは頭の中を考えやすい状態にする。何かを考えるときにじゃまになる情報は見ないほうがいいから、目を閉じたり上を見たりして、他の情報を入れないようにするのだ。つまり、考えること、思い出すことに集中させているのである。そういえば、幼稚園や小学校の低学年のクラスでは、先生が「目を閉じて、今から言うことを聞いてください」というような場面を見たことがあるが、それは子どもたちを集中させるためにやっていたことなのだ。私たちの体は私たちのものだが、自分ではまったくわからない動きを自然に行っているのである。
ある会社が⾃転⾞のカーナビ(注1)を発売すると、友⼈から聞いた。広い道だけでなく、細い道の案内もでき、さらに、⾃転⾞置き場や⾃転⾞店などの情報も⼊っているそうだ。このカーナビの⼤きさは電⼦辞書ぐらいで、速度や⾛った距離、⾃転⾞をこぐ(注2)時に使った消費(注3)カロリー(注4)ほ も表せるという。⾬の⽇でも使うことができ、⾊もいろいろあるそうだ。
このようなカーナビを⾃転⾞に付けたら、⾏きたいところにどんどん⾏けるようになるし、環境にもとてもいいと思う。しかし、①問題は道路である。今のように⾃動⾞と並んで⾛るのは危険だし、そうかといって、歩道を⾛るのも歩いている⼈に迷惑がかかる。⾃転⾞⽤のカーナビができれば、⾃動⾞のように⾃転⾞でいろいろなところに⾏けるようになるのだから、②( )。
(注1)カーナビ︓⾃動⾞⽤の動く案内地図
(注2)こぐ︓乗り物を動かすために⼿や⾜を使った動作をする
(注3)消費︓使うこと
(注4)カロリー︓体を動かすのに必要な熱のエネルギー
(1)
日本人は、魚をあまり食べなくなり、肉を食べるようになったと言われているが、実際はどうなのだろうか。
ある研究所が、料理の材料について男女約 1,000人に対して①調査を行った。それによると、1年前に比べて自宅で魚料理を食べることが増えた人は27.0%で、減ったと答えた人は(15.0%)よりかなり多い、魚料理のイメージは「体にいい」が82.7%で、最も多かった。 魚は健康にいいという知識が広がっているからだろう。その次は、「おいしい(72.1%)」だった。私は、年をとればとるほど、魚が好きになると思っていたが、②そうではないらしい。魚を「おいしい」と思う人が多い年齢は、60 代、20 代、30 代、50 代、40 代の順番であった。
この結果から、日本人は最近また、魚を食べるようになってきていて、若い人にも魚好きが多いということがわかる。
(2)
子どものころ住んでいた町には小さな神社があって、そこには大きな①桜の木が1本あった。わたしは、その桜の木が大好きで、よく木のそばで、友達とおしゃべりをしたり、本を読んだりした。春には毎年美しい花を咲かせるので、遠いところからも多くの人が花見に来ていた。
引っ越してから20 年以上その町に行く機会がなかったが、先週、仕事で行くことになった。ちょうど桜の季節だったので、神社にも行ってみた。
桜は、昔ほど美しく咲いていなくて、がっかりした。そして、花見客もあまりいなかった。
よく見ると、桜の木の周りはロープで囲まれ、近くに行くことができなくなっていた。神社を掃除していた人に、②その理由を聞くと、根の上を踏まれすぎて、桜が枯れそうになったからだと話してくれた。桜は根を土の中の浅いところに広げるため、根の上を踏まれると、土が固くなって呼吸ができなくなるのだそうだ。
木のそばに行けなかったのは残念だったが、早く元気なって、また美しい花を咲かせてほしい。
(1)
娘がまだ3歳の時、田舎の小さなホテルに泊まった。朝早く、一人さきに目覚めた娘に起こされた。「おとうさん、早く起きて、ねえ、起きてよ。」
まだまだ目が覚めないわたしは①「もうすこし」といってふとんをかぶる。窓のところへ走っていく娘の足音。しばらくして、「お父さん、ねえ、こっちへ来て。」「ねえ、お父さん、きれいだよ。夕焼けの麻だよ。」
このことばに起き上がったわたしは、「えつ、何?」娘のところに行き、窓から外を見た。 そこには、赤い赤い、空が広がっていた。美しい朝焼けの空だ。
「ねつ、きれでしよ。おとうさん。」
「うん、きれいだね。」
娘は3歳。「朝焼け」ということばは知らなかったが、②自分の知っている日本語で目の前に広がる美しい景色を上手に伝えることができた。
人はだれでもことばを使って自分の気持ちを表す力を持っている、わたしはそう感じた。
(2)
最近、仕事の連絡をする時にメールを利用することが多くなりました。メールは時間を選 んで読めますから。相手の都合がいいときに相手に読んでもらうことができます。しかし、 分かりやすいメールを書くのは意外に難しいものです。読みやすいメールを書くには、どの ような工夫が必要でしょうか。
まず、一行の文字数を多くしないで、短く切って次の行に進むようにしましょう。
そして、一つの内容を書き終わったら。次の一行は何も書かないで、その次の行から書き始めます。また、約束の時間や場所など、特に重要なことは、文章の最後にももう一度書いたほうがいい。
文章を全部書き終わったら、自分の名前と連絡先を書きます。メールで返事をもらうつもりでも、メールアドレスのほかに自分の電話番号とFAX番号も知らせておきましょう。
あるマンションに住んでいる友人のところに行ったときのことです。ドアのところにピンクの花の鉢植え(注)が出ているお宅が3軒ありました。私の友人の家のドアのところにはなかったので、不思議に思って聞いてみると、それは70歳以上の一人で住んでいる方のお宅なのだそうです。そうしたお宅では、朝、鉢植えを玄関のドアのところに出して、まわりの人に「今日も元気ですよ」ということを、夜はその鉢植えを家に入れ「今日も元気で過ごせました」ということをお知らせしているのだそうです。もし、朝、花が出ていなかったり、夜になっても外に花が出ていたりしたら、そこのお年寄りが具合が悪いのかもしれないので、近所の人が声をかけることにしているということでした。
最初はいやがったお年寄りもいたそうですが、何度か話をしたら、わかってくれたそうです。こういうことはこれからは、増えていくだろうと思います。
(注)鉢植え:花や木を入れ物に植えてあるもの
毎日飲むペットボトルや缶の飲み物は、たくさんのゴミ生む。そのゴミを減らすために、「マイボトル」つまり、自分の水筒(注)を持ち歩く人が増えている。Tコーヒーショップでは、マイボトルを持っていくと、コーヒー代を30円引く。初めは店で売っているマイボトルを買った人だけへのサービスだったが、今は家にある水筒でもかまわない。こうした動きは、他の店にも広がっている。ゴミを集める役所も、マイボトルを持つ人が増えるように、「マイボトルが使えます!」というポスターを作って店に配り、この動きを応援している。
マイボトルを作るメーカーも2004年から売り上げを伸ばしている。軽くておしゃれなものが増えたことや、やはり環境を守りたいという考え方の変化が影響しているという。今後も消費者の意見を聞き、長く使ってもらえる品物を作ろうとしている。
(注)水筒:飲み物を入れるもの
(1)
友達に誘われて、2泊3日でスキーに行った。私はスキーが初めてだったので、1日目の午後には疲れてしまった。そこで、私は一人で①先にホテルに戻って、友達を待つことにした。
ホテルに戻ると、ロビーに「雪山を歩きませんか」と書かれたポスターがはってあった。フロントの人に聞いてみると、ガイド(注1)と一緒に近くの山の中を散歩するのだと説明してくれた。参加する人は、スキー用の服と手袋を身につけ、雪が入らない防水の(注2)ブーツをはく必要がある。スキー用のブーツは歩きにくいので、だめだそうだ。日常生活では見られない自然が楽しめるそうなので、次の日に参加することにした。
翌日は、朝からガイドやほかの参加者と一緒にゆっくりと山を歩いた。雪が光って、とてもきれいだった。動物の足跡や、えさを食べた跡なども見つけた。ガイドから聞いた雪山にすむ動物の活もおもしろかった。
今回はあまり滑れなかったので、スキーは上手にならなかったが、ほかにこんな楽しみがあるなら、②また来てもいいと思った。
(注1) ガイド :案内をする人
(注2) 防水の : 水が入らないようになっている
(2)
「部屋が片付けられない」と悩む人から相談を受けることがある。詳しく話を聞いてみると、 整理が下手なのではなく、買い物のしかたに原因があることが多い。「セール」や「割引」の看板を見つけると、喜んで、つい店に入ってしまう。そして、安くなっているのを見ると、それが必要かどうか深く考えず、①財布を開く。その結果、部屋に物があふれるのだ。
このような人には、次のような②アドバイスをしている。買う前に、まず、必要かどうかを考える。必要だと思ったら、次に、同じような物を持っていないかどうかを考える。持っていなければ、最後に、それをしまう場所があるかどうかを考える。場所がなければ、あきらめる。そこまで考えて、必要だったら、買えばいい。
安いからといって、必要のない物やしまう場所のない物を次々と買えば、部屋が片付かないのは当然だ。
もうすぐ、あちこちのデパートでセールが始まるが、( )。