⼦どものころこ夏休みの思い出といえば、まず「ラジオ体操」を思い出す。朝、公園に集まってみんなでラジオから流れる曲に合わせて体操をする。確か2週間くらいだったと思うが、全部出るとプレゼントがあるので、がんばって⾏ったものだ。最近は⼦どもの数も少なくなっているせか、すべてに参加したからといって何かもらえるわけでもないようだ。私の家の近所では⾒られなくなったが、今でも⾏われているとことはかなりあるという。ラジオ放送が流れているのを⽴つたまま聞き、ラジオ体操のあと軽い運動だけするというところもおあれば、ラジオ体操の前後にみ運動をやって、1週間ぐらいするところもある。またラジオ体操のほかに軽いく起きるところばど、いろいろのようだ。若い親⼦が多い会場もあれば、お年寄りが多い会場もあるという。参加者、スタイルなど、違いはいろいろあっても、ラジオ体操は今も夏の⾏事にちがいない。

(16)この⼈は⼦どものころ、どうしてラジオ体操に⾏ったのか


(17)ラジオ体操は今どうなっているか


(18)この⼈はラジオ体操についてどう思っているか


 日本で働く外国人や留学生向けの住まいには、いろいろなタイプがある。今回は、若い人に人気があるゲストハウスとホームステイについて考えてみよう。

 ゲストハウスとは、一つの家で数名が共同生活するものをいう。寝室は別々だが、キッチンやバスルームは共用だ。いろいろな国籍、年齢、職業の人が一緒に住むので、異文化交流(注)が楽しめる。日本語だけでなく、いくつものことばが使われるので、語学の学習にもなる。ただ、ほかの人と仲よくやるためには、積極的に関わったり、相手の話をよく聞く態度も必要である。

 ホームステイは、一般の日本人家庭で生活する。今の日本の文化や習慣を知ることができ、日本語の上達にもつながる。本当の家族のようにしたしい関係が生まれることもある。何年も過ごすことはむずかしいが、日本に慣れるまでの1~2ヵ月利用する留学生にはおすすめだ。それぞれの特徴を知って、えらびたい。

(注)異文化交流:違う文化を持つ人と交流すること

(1)ゲストハウスのいい点は、どんなところだと言っているか


(2)ゲストハウスで注意しなければならない点は、どんなことだと言っているか


(3)ホームステイは、どんな人に向いていると言っているか。


 ⽇本では季節が⽣活のいろいろな⾯に影響している。外国から来た⾃分にとってそれはとても①⾯⽩い
 いつも使う駅のそばに、有名な和菓⼦のお店がある。2⽉のある寒い⽇、ちょっと⼊ってみると、いろいろな形や⾊をした美しい⽣菓⼦(注1)がならんでいた。値段は⾼かったが、アルバイト代が⼊ったばかりだったので、⼀番かわいいのを⼀つ買って帰ることにした。私は「寒椿」というお菓⼦を選んだ。いつも公園で⾒る⾚い椿の花を表現したお菓⼦だ。そのままテーブルにかざっておきたいぐらい美しい上に、⾷べると味も素晴らしく、感激した。それ以来、「寒椿」のことが忘れられなくなった。でも、次にアルバイト代が⼊るまで我慢することにした。⽉に⼀度あの可愛い姿と味が楽しめれば幸せだ。
 さて3⽉のアルバイト代が⼊り、私はわくわくしながらその和菓⼦屋に⼊っていった。しかし、②あの⾚い花はどこにもなかった。お店の⼈にたずねて驚いた。「寒椿」は冬お菓⼦なので、春には売らないのだそうだ。今度あの「寒椿」を楽しむには⼀年待たなければならない。
 本当にがっかりしたが、そこにピンク⾊の「桜」というお菓⼦があることに気づいた。私はこの「桜」を買って帰った。これもまたとても美しく、おいしかった。そうか、もう春なのだ。そういえば公園の桜がもうすぐ咲きそうだ。この時、③⽇本⼈の季節の楽しみ⽅が少しわかった気がした。

(注1)⽣菓⼦︓ ⽔分を多く含んだお菓⼦

(1)⾯⽩いとあるが、何が⾯⽩いのか


(2)あの⾚い花とは、何を指しているか


(3)⽇本⼈の季節の楽しみ⽅とはどんなことか


 3億円が当たる宝くじ(注1)がある。それが当たったのにお⾦を受け取らなった⼈がいる。彼は70代の⼀⼈暮らしの男性で、受け取らない理由は「どう使えばいいか分からないから。」だそうだ。
 今は静かに⽣活をしていて、それに何の不満もない。彼は宝くじを買ったのは、亡くなった妻が宝くじを楽しんでいたためで、お⾦がほしいからではなかった。3億円を受け取っても、それを分けるような⼦どもや親せきもいないし、⾼級⾞や⼤きな家を買う必要もない。それよりも、もし3億円を受け取ったら、そのお⾦を⽬的に⼈が寄ってきていろいろな問題が起きるかもしれない。楽しい事より⼤変な事が多いと考えたのだろう。
 何⼈もの⼈が受け取るように進めたが、彼の気持ちは変わらなかった。当たらない者から⾒たらもったいない話だが、彼はかしこい判断をしたのかもしれない

(注1)宝くじ︓番号などのついた券を買い、当たれば賞⾦がもらえる

(1) 彼はどうして3億円の宝くじを買ったのか


(2) 3億円が当たった後で彼はどうしようと思ったか


(3)彼はかしこい判断をしたのかもしれないとあるが、それはなぜか


 ⼈間関係のこと、勉強や仕事のことなど、いろいろなストレスが原因で病気になることは少なくない。ストレスなど全くない⽣活をしてみたいものだが、なかなかそうはいかない。
 どうせストレスから逃げられないのならば、⼤きなストレスよりも、がまんできるぐらいの⼩さなストレスのほうがまだいいと思うだろう。しかし、専⾨家に⾔わせると、このがまんできるぐらいのストレスが⼀番問題なのだという。なぜなら、受けたストレスをがまんできると思うと、⼈はそれを解決せずそのままにしてしまうからだ。そして、 そうしているうちに、⼼や体を壊してしまうというのだ。反対に、⼤きなストレスはつらいものだが、何とかそれを解決しようという⼒を起こさせ、⼈が成⻑するきっかけになることも多いという。
 ストレスが⼼や体をこわす原因になるかどうかは、その⼤⼩ではなく、乗り越えようとする気持ちと関係があるようだ。

(4)専⾨家はストレスについてどう⾔っているか


(5) そうしているうちにとあるが、これは何を指しているのか


(6)本⽂の内容と合っているものはどれか


 トキは⼤きくて美しい⿃である。体の⼤きさは75センチほどで、⽻を広げると140センチにもなる。体の⾊は真っぽく⾒えるが、⽻を広げると、薄い⾚い⾊をしている。これはトキ⾊と呼ばれ、⼈々に好まれた。昔は⽇本中どこでもトキを⾒ることができたが、100年ほど前から⽻を取るために捕まえられ、少しずつ数を減らしていった。⼯業化が進むと、トキが暮らす⽥んぼや森が減ったり、環境が汚染されたりして、その数は⾮常に少なくなった。そして1981年、ついに⽇本のトキは絶滅した(注1)
 現 在は、中国にいた同じ種類のトキを輸⼊し、佐渡という島で育てている。そして、数が増えてきたら⾃然に戻すという計画が⽴てられている。トキを復活(注2)させるため、多くのお⾦を使い、多くの⼈々が努⼒している。
 ⾃然は簡単に失われるが、⼀度失われたら元に戻すのは簡単ではない。

(注1)絶滅する︓ある種類の⽣物がすっかりいなくなる
(注2)復活︓なくなってしまったものが、また元に戻る事

(7)⽇本のトキの説明について、本⽂と合っているものはどれか


(8)⽇本のトキはなぜ、数が減ったのか


(9) この⽂章を書いた⼈が⾔いたいことは何か


 町やビルで⾒かける飲み物の⾃動販売機は便利だが、夜、誰も使っていないのに、明かりがついているのを⾒ると、電気代をむだ使いしているように感じられる。
 しかし、実は⾃動販売機はエネルギを節約する技術が⾮常に進んでいる機械である。そこにはどのような⼯夫があるのだろうか。
 まず、冷たい飲み物は、全部を冷やすのではなく、売る直前の分だけ冷やすようになっている。⾃動販売機の中にあるコンピューターが、曜⽇や時間による売れ⽅の変化を⾒て、最⼩限の数だけを冷やすのである。だから、電気代が少なくてすむ。
 また、冷たい飲み物と温かい飲み物を同時に売る⾃動販売機の場合、冷たい飲み物を冷やした時に出る熱を使って、温かい飲み物を温めることができるようになっている。
 以上のようなさまざまな技術によって、⾃動販売機は電⼒の消費を減らすことができたのである。

(10)⾃動販売機が電気をむだ使いしているように⾒えるのはなぜか。


(11)⾃動販売機の飲み物の冷やし⽅として、正しいものはどれか


(12)⾃動販売機のエネルギーの節約⽅法として、正しいものはどれか


 ⽇本語で話し合いをしているとき、なかなか話に⼊れないことがある。どうしたら、参加できるようになるだろうか。
 まずは、だれかが話しているとき、⾸を縦に振って「うなずく」ことである。1対1の話し合いならうなずいている⼈でも、多くの⼈での話し合いでは、何もしないでじっとしていることがある。しかし、これでは話している⼈は、不安になってしまう。うなずきは、相⼿の意⾒に同意するときだけでなく、同意できないときでも「あなたの話を聞いています」という合図なので、⼩さくうなずくだけで話し合いに参加できていることになる。そうすると、話し⼿は安⼼して先に進める。うなずくとき、「はい」や「そうですね」と相づちを打ってもいい。
 さらに、共感できる(注1)ところで「本当にそうですね」と⾔うことが⼤切である。このようにしていると、会話に⼊りやすくなる。

(今共登茂⼦「うなずいて共感を表現」⽇本経済新聞朝刊2011年9⽉24⽇より)



(注1)共感する︓相⼿の気持ちや意⾒を⾃分も同じように感じたり、理解したりする。

(13)そうするととあるが、どのようにすることか


(14)うなずくことは、どのような役割があるか


(15)この⽂章では、どうすれば上⼿に話を始められると⾔っているか


 科学技術の進歩によって、私たちの⽣活はより快適で便利になっている。しかし、便利になるということは、①⼈間の能⼒が失われることだとも⾔われている。
 例えば、重いものを持ち上げて運ぶとき、機械がなかった時代には⼈が⾏っていた。昔の武道(注1)を研究している⼈の話によると、これはそのころの⼈が今よりずっと⼒があったというわけではなく、どのように体を使えば重いものが運べるかがわかっていたので、できたのだという。だが、今は②それが伝えられることもなくなりつつある。
 また、⽂字を持たない社会には、⾮常に⻑い物語や詩などでも、覚えて伝えられる⼈がいた。しかし、今、そのような⼈は⾮常に少なくなっている。こうしたことを考えると、⾃分たちがなくしたものの存在に気づかされる。
 これから、私たちはどのような能⼒を失うのだろうか。

(注1)武道︓武⼠が戦いのために⾝につけなければならない技術や精神

(16) なぜ①⼈間の能⼒が失われるのか。


(17)②それとは何を指すか


(18)この⽂章では科学技術の進歩について、どう⾔っているか


 ⽇本では1960年代ごろから⾞が増加し、道路が整備される(注1)とともに、地⽅都市が①外側へと広がった。郊外に住む⼈が増え、⼤きなスーパーや病院のような施設(注2)も郊外に造られるようになったのである。そうした所へは歩いて⾏けないが、⾞で⾏けるようになった。しかし、それで困るのが⾼齢者である。⾼齢者は⾞を運動する⼈が多くないため、郊外まで買い物や病院に⾏くのが難しい。
 ⼀⽅、街の中⼼部の店には客が来なくなって、閉店する所も増えてしまった。そこで、最近、いくつかの都市はさまざまな施設を再び街の中⼼に戻し。⼈々も中⼼部に集まって住めるようにしようとしている。このような都市はコンパクトシティと⾔われており、お年寄りも気軽にいろいろな場所へ⾏くことができる。⾼齢化が進み、⼈⼝が減少している現在、②こうした都市が注⽬されている

(注1)整備する︓使えるような状態にする
(注2)施設︓ある⽬的のために造られた建物

(19)①外側へと広がったとは、どのような意味か


(20)コンパクトシティとは、本⽂によるとどのような意味か


(21)②こうした都市が注⽬されているとあるが、なぜ注⽬されているか