これからの正社員としての必須(注1)条件を端的(注2)にいえば、リーダーシップがあるということだろう。新入社員であっても、仕事において何らかの貴任を負い、社内外の人に動いてもらわなけれ坪ならない。そこがアルバイトと違う点だ。若者には、まずの①この点をわからせる必要がある。
 ところが、もともと「自分にリーダーシップがある」と感じている人はほとんどいない。まして最近の若者は、人の上に立ったり、率先(注3)して人を動かしたりすることを好まない。およそリーダーシップを感じさせない世代なのである。
 では、永遠にリーダーになれないかといえば、そうでもない。後天的に磨かれていくからだ。例えば、サッカー日本代表のキャプテンを務める長谷部誠は②その典型だろう。今でこそリーダーとして高い評価を受けているが、高校時代まではキャプテンどころか練習をさぼることもある選手だったという。その後、さまざまなチームで経験を積むうちに、リーダーシップを身につけていったのだろう。

(『若者の取扱説明書』PHP研究所より)


(注1)必須:必ずなくてはならないもの。必要なものの中でも最も必要なもの。
(注2)端的に:要点だけをはっきりと。
(注3)率先して:人の先に立って、自分から進んで。
(注4)後天的に:生まれつきでなく、育っていく間に。

1。 問4 ①この点とは何を指しているか。