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 ノ一べル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんは日本語の「もったいない」を世界語「mottainai」に提案している。しかしこの言葉が今一番必要なのは日本ではないかと思う。日本人は高度成長期の頃から物を大切にする「もったいない」という気持ちをなくしてしまった。大量消費による使い捨て文化が広まったのだ。例えば電気製品が壊れた場合日本では修理代が高いのでつい新しく買ってしまう。また豊かな時代に育った人々は衣類に穴があいたち直ぐに捨ててしまう。昔は家で古くなったタオルを使って雑巾を作っていたが、今は新しい、タオルで作られた雑巾を買っている。以前は「もったいない」という言葉は物を大切にするといういいイメージだった。しかし豊かな時代に育った多くの若者にとっては「貧乏くさい」「けち」などという悪いイメージなのだ。
 ところで最近ほとんどのスーパーの袋が有料になった。もらわないと2円ほど安くしてくれるスーパーもある。けれども袋を持って来る若者はあまりいなかった。ところがおしゃれな買い物袋が売り出されるとすてきだと言ってそれを持ち歩く人が増えてきた。①このことから若者も格好が良い物なら受け入れることがわかった。日本の伝統的な文化である風呂敷(注)は何でも包める便利な物だ。デザインもいいので外国人にいつもほめられる。何とか風呂敷を使って「もったいない」精神を広められないものかと考えている。
(注)風呂敷:物を包むのに用いる正方形の1枚の布

1。 (問1)①このことからのこのことは何を指すか。

2。 (問2)「もったいない」という言葉について述べているのはどれか。

3。 (問3)著者は「もったいない」ということについてどう考えているか