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最近、人の声を認識したり
(注1)、書かれた文字を読み取ったりするプログラムが、あちこちで使われるようになってきている。そして、たとえば「このプログラムはどの人の声でも認識することができます」という説明がしばしばなせれる。しかし、
それを文字どおりに信用したりしてはならないだろう。「どの人の声でも」といったとき、男の大人の声ならほとんど聞き分けられるということを意味していることが多く、女の子の声や老人のしわがれた声
(注2)、子供の声(中略)についてはうまく認識できないという場合がある。
(長尾真『「わかる」とは何か』岩波新書)
(注1)認識する:物事を理解し、区別したり判断したりする
(注2)しわがれた声:のどをいためた時に出るようなはっきりしない声