若い人の多くは、基本的に、①作られたレールの上を走りたくない作られたレールの上を走りたくないと思っています。しかし、いざ勉強のこととなると、何かのレールに乗ることで自然に学力をアップさせてもらうことを望みがちですね。
そもそも勉強というのはなかなかおもしろくならないものです。学力を向上させる上でいちばん大事なのは基礎学力。基礎学力をつけるっていうのは、スポーツに置き換えると筋力トレーニングと同じで、面白いものではありません。でも、それをやらない限り絶対に学力は上がらない。絶対にやらなきゃいけないものがある時に、漫然と取り組むより、戦略を立ててやったほうがゲーム性が高まって面白いんです。例えば、「東大合格」という目標を設定して、そこから逆算して今やらなきゃいけないことをやっていく。作戦を立てて目標を一つ一つクリアーしていく。ロールプレイングゲームの感覚で勉強を進めていくんです。
また、受験生が陥りやすい勘違いの一つに、授業を受けさえすればそれだけで勉強した気になるということがあります。実は、僕は父親の仕事の関係で、中学1年生から3年生の間、南アフリカのヨハネスブルクで過ごしました。その間、ある通信教育を受け、結局、高校3年生までその通信教育を受け続けました。その結果があったと思います。なぜなら、通信教育だと主体的に勉強しない限り前に進めない。例えば、問題集をするのだと、答えが載っているので自分で調べるくせがつかない。しかし、通信教育だと自分で調べなければならないし、調べることですごく力がつくと思います。何かをやらない限り成長はありませんし、やったことというのは必ず何らかの成果をもたらすものです。
勉強で大切なのは、どう楽しむかということ。勉強は本当に日々の積み重ねが大事で、楽しもうと思ってするのとそうでないのとでは大きな差がついてしまいます。勉強できないのは自分の能力のせいだと思いがちですが、②勉強ができる人とできない人の一番の差は、頭がいいかどうかではなく、勉強に向かう時の気の持ちようだと思うんです。
学力をアップさせるには地道に勉強に励むしかありません。より早く解くにはどうすればいいか、弱点をなくすにはどうすればいいか、といったように、試行錯誤の中で学力は伸びていく。そうした試行錯誤の経験は、その後の何事においても役立つはずです。