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日の出、日の入りは太陽の上のヘリ(注1)が地平線にかかった瞬間をいうことは比較的よく知られています。
つまり、日の出とは太 陽の上のヘリが地平線に顔をのぞかせた(注2)瞬間、日の入りとは太陽の上のヘリが地平線に沈んで、太陽がまったく見えなくなった瞬間です。
このことから類推して(注3)、月の出、月の入りも同じように決められえているのだろうと思っている人が多いようですが、月の場合は違います。
月の出、月の入りとは、月の中心が地平線にかかった瞬間をいうのです。
では、なぜ月の場合は太陽と違う基準を採 用して(注4)いるのでしょうか。
そのわけは、月には満ち欠けの現象があるからです。上のヘリと決めたのでは、三日月のときなど観測が 難しくなります。月の中心でしたら、三日月の場合でも、弧(注5)の一部から円の中心を求めるのと同じで、すぐにわかります。
(日本社『つい誰かに話したくなる雑学の本』購談社による)
(注1)へり:ふち、はし
(注2)顔をのぞかせる:一部分が見える
(注 3)類推する「るいすいする」:すでにわかっていることをもとに、他のこと
(注4)採用する「さいようする」選んで使う
(注 5)弧「こ」:円周の一部分