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 親に面倒をみてもらって育つ動物の子どもたちは、親のそばにいたがり、親のするとおりにするという習性(注1)を持って生まれてくる。親は教えるつもりなどなく、子の方でも教わるつもりなどないが、徐々に親の知恵は子にコピーされていくのだ。 (中略) 例えば、子猫が親猫と一緒に出かけて行くとする。道を渡ろうとしたとき、向こうから車が来る音がする。親猫は「怖い!」と思って引き返す。そのとき子猫は親と同じ思いで「怖さ」に同調(注2)するのである。そして親と同じことをする。これで小猫は車の音が危険の到来(注3)だということと、どうやって避ければ良いかということを学ぶ。

(加藤由子「雨の日のネコはとことん眠い」による)


(注1)習性=動物の行動に見られる狛特の性質
(注2)同調する:他のものと調子を合わせる
(注3)到来:やって来ること

1。 (58)親と同じことというのは、ここではどういうことか。