最初に実験です。正方形の紙を一枚用意して、「あいうえお」と書いてください。さて、あなたは横書きにしましたか?縦書きにしましたか?
 日本人を対象にこの実験を(50)、若い人の7~8割は横書き、年配者の6割は縦書き、と言う結果でした。
 日本では、もともと文は上から下へ、右から左へ、縦書きされるものでした。新聞や政府の出す公文書(注)などは、今もこの方式です。日本の小説も縦書きが普通ですが、昨年、ある出版社から、日本を代表する作家、夏目漱石と太宰治の作品が横書きの本となって(51)、話題になりました。出版社では「横書きのほうが慣れていて読み(52)と言う若い人からの意見を聞いて、横書きで小説の本を出版することにしたそうです。
 「小説まで (53-A)、にするのか…..」と、最初は驚きましたが、これは時代の流れなのかもしれません。考えてみると、日本語の教科書は横書きは主流です。日本の小中学校などで使われている教科書も国語以外は(53-B) が多くなっています。あるいは、自分が文章を書く場合はどうでしょう。パソコンを使うときも、横書きと言う人が多いのではないでしょうか。
 今後、情報を得たり伝えたりする目的の文章は横書きが主流になっていくでしょう小説は、縦書きと横書きでは、頭の中に描き出されるイメージに違いがあるように思います。そのイメージの違いを楽しむ、と言う人もいるかもしれませんが、やはり小説は縦 書きで読みたい、と感じる人も(54)と思います。
(注) 公文書=国や地方自治体などの機関が作る公的な文書

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