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 いつのころからか、「若い人になにをのぞむか」とか「どのように生きてもらいたいか」というような質問をされるようになりました。 はじめは当惑しました。お前はもう若くないんだ、と不躾けにいわれたような気がして、ちょっと対応が乱れたりしましたけど、まあ、いまはそんなことをいいたいのではない。
 そういう質問をされて、自分が長いあいだ、人に「どう生きて欲しい」などと願ったりすることから遠いところにいたんだな、ということに気がついたのです。だいたい、若い人にどう生きて欲しいなんていってみたって、いうことをきく人がいるものかと、自分の若いころをかえりみて、そう思うし、多少は影響をあたえうるかもしれない自分の子どもにたいしても、ほとんどそういうことは願わずに生きてきました。

1。 (59)「気がついたのです」とあるが、筆者はどんなことに気がついたのか。