日本を訪れる外国人観光客は、日本のどんなところをみたい、と思ってやってくるのでしょうか。秋葉原や原宿、あるいは京都、大阪などと言う声が多く聞かれそうですね。(50)、あるテレビ番組が調査したところ、外国人観光客から意外と多く聞かれたのは、意外なことに「東京や京都はもういいから、もっと普通の日本人の生活がどんなものなのか、見てみたい」といった声でした。
観光に力を入れるというと、まず、言葉で不自由な思いをさせないようにと、外国語の出来る人をスタッフ(注1)にしようと考え(51)。しかし、その番組で、紹介していた、ある地方の旅館では、まったくそんなことはしていませんでした。小さい旅館ですが、女将(注2)をはじめ、スタッフは地元のお年寄りが中心。浴衣の着物や日本の食事の説明などは、身振り手振りを交えながら、すべて日本語です。外国語(52)使いません。それでも外国人観光客とちゃんとコミュニケーションが出来ています。しかも、観光客は、困っている(53)、とても楽しそうなのです。
でも、これは当たり前かもしれません。もし、自分が他の国に言った場合、緊急のことが起きた場合は別ですが、その国の言葉で話しかけられたら、分からないかもしれないけれどうれしい。それこそ、異文化体験です。
「日本語でぜんぜん問題ありませんよ。楽しいですよ」と、本当にうれしそうに語る女将。(54)日本に来てくれているのだから、下手な外国語ではなく、日本語できちんと応対する。すてきな事だと思いませんか。
(注1) スタッフ=働く人、職員
(注2) 女将=旅館でスタッフの上に立ってまとめる人。女主人