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日本には四季があり、昔から季節ごとに「旬」の食材を楽しんできました。例えば、夏の野菜と言えばキュウリやスイカ、冬の野菜と言えば大根が代表的です。しかし最近は、ほとんどの食材が一年間スーパーで売られ、「旬」が分からない消費者が増えています。それは残念なことです。
旬のものを食べることには多くの長所があります。まず、その食材の旬の時期に収穫されたものは、最もよい条件で自然の恵み(注1)を十分に蓄えながら育ったものです。当然、味は最高においしく、栄養も豊富です。また、旬の物は、その季節に私たちの体からだが必要とするものを与えてくれます。例えば、夏の野菜のキュウリは水分が多く、汗で失われた水分を補ってくれます。さらに、旬のものを選えらぶことは環境にもいいのです。一年を通じて生産が可能なハウス栽培(注2)は便利ですが、温度管理が必要なため、ガスや電気を大量に消費し、環境に負担となるのです。ぜひ、旬を考えて食材を選えらびましょう。消費者がもっと旬の食材を選えらぶようになれば、スーパーも季節に合った食材が増えていくでしょう。
(注1)自然の恵み:食べ物や資源など自然から得られるありがたいもの
(注2)ハウス栽培:ビニールを使った小屋の中で温度を管理しながら野菜などを育てること