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「ルール」はなぜあるのでしょうか?
スポーツを理解するために最初に確認しておきますが、“スポーツは人間が楽しむためのもの”です。①
これが出発点です。決して「世の中に無ければならないモノ」でもなければ、生きるためにどうしても「必要なモノ」でもありませんが、楽しむためのモノであり、その“スポーツを楽しむ”ために「ルール」があるのです。 そして、ルールのもとで勝敗を競いますが、このことが楽しくないのであれば、スポーツをする価値はありません。他のことをやった方がずっとマシ
(注)です。なぜなら、スポーツは「Play/ブレー」(=遊び)だからです。遊びである以上、好きにならなくてはいけないモノではありません。好きでないなら、しなければいいのです。決して無理をする必要はありません。
スポーツへの参加は強制されるのではなく、自由意思によるものでなければ、「遊び(=Play)」になりません。(中略)
「ルール」とは楽しむための具体的な約束事、つまり、「プレー(遊ぶ)」するために存在するのです。「ルール」というのは「いい」「悪い」を判断するものではありません。「楽しいか」「楽しくないか」が第一の判断基準です(ここが「法律とルールの違うところ」です)。
(高峰修 『スポーツ教養入門』岩友書店による)
(注)マシ:そのほうが、まだよい