人と人の間隔


 バスの停留所でバスを待つ人たちや電車の席に座る人たちの間隔を観察していると実に面白い。バスを待っている人の数が2人の場合、二人の間隔は2m以上ある。また、電車の座席が空いているとき、連れのいない人たちは空いているところに(50)。
 もし、バス停に2人や3人しかいない時にある人が30cmの間隔で並んだら、ほかの人はおそらく気持ち悪く思うだろう。(51)、すいている電車でほかにも座るところがあるのにすでに座っている人のすぐとなりに座ったら、やはり気持ち悪く思うだろう。
 つまり、人は他人に意味なく接近されると不快に感じるのである。では、どのくらいの距離なら不快に感じないのか。それについてのある研究によれば、ごく親しい関係の場合は0~45cm、相手の表情を読み取る空間なら45cm~120cm、手は届かないが会話ができる空間なら 1.2~3.5mだそうだ。
 しかし、文化によって(52)距離は異なるそうだ。私自身、文化による違いを経験している。以前、中国に滞在していた時のことだが、ソファーに座った来客である私に、その家の人たちはかなり接近して座り、 会話が始まった。慣れないうちは少しとまどったが、徐々に慣れていき、親しさを感じる(53)。
 握手で換拶し、抱き合う文化の人たちの距離と、お辞儀をしても頭がぶつからない距離を保たなければならない日本文化の距離とでは、人と人の間隔にかなりの違いがみられるのは(54)。

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