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学級崩壊という言葉が使われ始めてから、早いものでもう10年以上経ちます。その原因は「親のしつけ(注1)にある」とか「教師の指導方法が問題だ」とか、「本人に障がいがある」とか言われてきましたが、未だはっきりしません。解決の特効薬(注2)は見つからず、大きな社会問題となっています。
 学級崩壊した教室の特徴として見られるのは、小学校抵学年の子供たちが授業中席につけず、話を聞けないことです。それが、教室活動の妨げにもなっています。学級崩壊の原因は模索中とはいえ、それが見つかるまで子供たちの成長を止めることはできません。大人になる前に、社会生活で必要な知識を身につけなければならないのですから、何としてでも解決策を見つけ出さなければなりません。
 そこで学校の先生たちは、様々な②工夫をするようになりました。例えば、問題のある子供が授業に集中できるように、教え方や注意の引き方を変えてみるーーいわば児童指導のスキル(注3)を磨くこと。また、体を動かしたり、眼球トレーニングをすることで集中力をつけさせるなどです。
 それらを実施した学校では、子供たちに好評で少しずつ効果も出てきているようですが、その効果がずっと続くかどうかはわかりません。子供たちの明るい未来のためにも、こういった先生たちの努力のほかに、原因を究明することが欠かせない(注4)でしょう。
(注1)しつけ:社会や集団のルール、礼儀などを身につけさせること
(注2)特効薬:特別によく効く薬。ここでは効果のある対策
(注3)スキル:skill 技術
(注4)欠かせない:なくてはならない。絶対に必要だ

1。 (63)①「学級崩壊」を説明するものとして最も適切なものはどれか。

2。 (64)先生たちの②「工夫」とはどのようなものか。

3。 (65)筆者は、学級崩壊についてどのように考えているか。