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この間、雑誌で紹介されていたのですが、通信技術の発達を利用して、遠く離れて募らす人とコミュニケーションするための商品が研究開発されているようです。」
特におもしろいなと思ったのは、離れて暮らす恋人たちのための電気スタンド。これは、どちらか片方の電気スタンドをつけると、もう一方の電気スタンドもつくようになっているものです。一人で暮らしていて、電気スタンドが自動的にパッとついたら、恋人が今電気をつけたことが分かるのです。ただそれだけのことなのですが、その瞬間、恋人の存在が感じられて、いっしょに暮らしているような温かい気持ちになれるというわけです。
①同じように、ゴミ箱のふたを開けると、もう一方のゴミ箱のふたも開くというのもあります。これなんかは、ちょっとうるさいのではないかと思いますが、実験によると、恋人同士がちょっとしたケンカをした後に、相手の気を引くためにわざとゴミ箱のふたを開けたりするのだそうです。思わずほほえんでしまいますが、言葉では伝えにくい思いも、こうやって伝えられるというのは、いいなと思います。
②これらはまだ研究の段階だということですが、実際に商品化されたものでは、一人で暮らすお年寄りのための電気ポットがあります。電気でお湯を沸かして保温するポットですが、お年寄りがポットのスイッチを入れると、離れて暮らす家族の携帯電話にメールが届くようになっていて、使用状況が分かるのです。
このように、生活用品をコミュニケーションの手段に利用するというのは、とても現代的なアイデアだと思います。言葉だけが伝達手段ではありません。孤独な現代人にとっては利用価値の高い商品だと言えるでしょう。