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 「人間と動物」という分け方があるが、人は動物である。人は植物ではないから、生物学的には当たり前のことである。しかし、「人は動物である」と言われると、「そんなことはない。」と頭から否定する人はまだ多い。中には「人と動物をいっしょにするな!」と怒りだす人もいる。自分を中心にして世界を見てしまうのだ。
 確かに、人から見れば、猿は猿である。人は自分自身がその猿の仲間だとは、普通は思わないだろう。「人間と動物」という分け方は、人が生まれながら持っている「一つの信念(注)」だと言えるかもしれない。人間は、科学によってこの「一つの信念」を克服してきたのである。
(注)信念:正しいと考えることを、最後まで信じ続ける心

1。 (59)筆者の考えと合っているものは、どれか。