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 人は、同じことを何回も聞くと、ただ聞いているだけなのに、無意識にそれをやってしまうことがある。体が勝手に動いてしまうのである。それをうまく利用きれると、知らないうちに「はい。」と言ってサインしてしまっている、ということになりかねない。
 たとえば、イスに座って、ひざの上に手を置いて静かに目をとじて「右手が温かくなる」と言ってみる。それで温かくなるはずがない。が、しかし、ゆっくりと、何回も、くりかえして言ってみてほしい。10回、20回と言い続けると本当に温かくなってくるはずである。
 つまり、人は、この無意識の行動を利用されないよう、注意する必要があるということだ。

1。 (58)「この無意識の行動」とは、何を指しているか。