(5)
能力や適性は仕事の「前」にあるのではなく「後」に発見される。
ある仕事が「できた」という事実が、自分にはその仕事を行う能カが備わっていたことをはじめて本人に教えてくれるのである。
だから、上司が「この仕事をやってくれ」と命じたときに、「私にはそのような仕事を完遂する
(注1)だけの能力がありません」という遁辞
(注2)を述べることは
就業規則で禁じられているのである。
(内印 樹 fひとりでは生き られないのも芸のうち』 文春文庫による)
(注1) 完遂する : 完全に行う
(注2) 遁辞 : 言い逃れの言葉