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 生物の活動が昼夜の長さ、いいかえれば明暗の周期(光の周期)によってきまる現象は、「光周性」と呼ばれている。
 植物の花がいつ咲くか、動物がいつ繫殖(注)するか、いつ冬眼に入るかなど、いろいろなことが光周性によってきまることが、今ではよくわかっている。小鳥は光周性によって春の到来を知り、さえずり(注2)出すのである。
 その一方、多くの昆虫は暖かさで「春を数えて」 いる。
 昆虫が温度で春を数え、その昆虫を餌にしてひな(注)を育てる小鳥が日の長さで春を数えるということになると、そこに食いちがい(注4)がおこる可能性が生じる。

(日高敏際『セミたちと温暖化】 新潮文庫による)

(注1) 繁殖する : 動物や植物が生まれて増える
(注2) さえずる : 小鳥が鳴く
(注3) ひな : 鳥の赤ちゃん
(注4) 食いちがい : 少しちがって、一致しないこと

1。 (56) そことは、何を指しているか。