おそらく多くの人は、怒りという感情はよくないものだと思っているのではないでしょうか?
しかに怒るということは気持ちのいいことではありません。怒りを向けられても嫌な気分になります。
(50)、怒りは決して悪い感情ではありません。
私たちは一般に、「嬉しい」「楽しい」などの感情はよいもので、「怒り」「寂しい」「悲しい」などの感情は悪いものだと思い込んで、怒り(51)不快な感情を抑圧しようとしてしまいがちです。
実はここが大きな間違いで、感情にはいい感情も悪い感情もないのです。
なぜなら、私たち人間は感情をもった動物であり、あらゆる感情はどうしようもなく覚えてしまうものだからです。しかし、さまざまな感情を感じられることこそが人間のすばらしいところだと言っても過言ではありません。
だから、私たちはどんな感情をもってもいいし、表現してはいけない感情もありません。
もちろん、状況に(52)表現の方法は必要でしょう。そして、それを学ぶことで、どんな感情も上手に表現することができるようになります。
体調に波があるように、感情にも波がある。悪くなるときが(53)、いいときに感謝できる。不快な感情をなかったこと(54)のではなく、いいときと悪いとき、この二つのバランスがとれていることが大切なのです。
(座井雅子「人はなぜ明るのか}!幻冬舎新剖による)