A
人の生活スタイルは朝型と夜型に分けられる。朝型の人は気持ちよく日覚めて朝食をしっかり食べ、午前中から頭はフル回転(注1)でバリバリと仕事をこなすタイプ。夜型は、朝起きるのが苦手で朝食もとらずに出勤し、午前中は仕事の効率が上がらず、午後になってやっと活動を開始するタイプ。
こう見ると、朝型のほうが仕事にも健康にもいいと思われるであろう。たしかに、健康面からは朝型にすべきだという意見が多い。しかし、仕事に関しては、最近出た研究結果によると、そうとも言えないようだ。人の脳を調べた研究からは、早い時間帯では朝型の人のほうが、脳の働きが活発だが、脳の持続性は夜型のほうが優れているということがわかったそうだ。それで、短時間で簡単にできる仕事が少なくなっている現代では、夜型人間が増えているようだ。
(注1)フル回転:使える限度まで使う、ここでは「(頭を)100%使う]という意味
B
都市化が進むにつれて夜型の生活をする人が増えている。テレビの深夜番組や24時間営業のコンビニ、インターネットなどの普及によって、深夜も日中と同じように活動できる。今は、若い世代だけでなく50代以降の人々も夜型の人が多くなっているのが特徴だ。夜型生活をする人にその理由を聞いてみると、静かだし、人から用事を頼まれることもないから、夜のほうが集中できて作業がはかどる(注2)ということだ。
夜より朝の頭のほうがすっきりしていて思考に適していると言われているが、日中は集中して一人で考える時間がとれない人が多い。夜型になるのは周囲との接触を最小限にした環境で集中して考える時間を求めた結果であるといえる。われわれ現代人は一人になる時間を必要としているのである。
(注2)はかどる:順調に進む