先日、知り合いの外国人から、「焼き島の食べ方には、串からそのまま食べる食べ方と、箸で肉を串からはずして食べる食べ方があるようだ。どちらが正しいのか」という質問をされた。私自身は、串から直接食べるほうです、と答えたが、本当のところどうなのだろう、とその後も気になった。
調べてみてわかったのだが、この「焼き鳥の食べ方論争(注1)」はずっと続いているようだ。「串から直接派」の主張は、串からはずしてしまうとうまみが逃げばてしまう し、冷めやすいからおいしくなくなる、だから串から直接いくべきだ、というのが主である。一方、「串からはずす派」は、特に女性は串から直接食べると口の周りが汚れたり口紅が取れてしまって見た目が悪いこと、はずしてばらばらにしたほうがみんなで分けて食べやすいこと、などを理由にしている。
①どちらの主張にも一理あるが、私はやはり、特に作り手の気持ちを考えると、「串から直接派」の考えに賛成したい気持ちになる。焼き鳥屋さんの多くは、「焼き鳥は串に刺して焼くからおいしいものであり、そのために手間のかかる串うち(注2)という作業をしているのだから、( ② )」と思っているようだ。見た目や周りを気にするより、おいしさ100%の状態で味わうことが、作り手に払うべき最大の敬意だと思うからである。
(注1) 論争 : 意見を言い合うこと
(注2) 串うち : 焼き鳥の肉を肉に刺すこと