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大人になれば


 子どものころ、自分の親と同じ年齢になれば、もっと立派な人間になれるのだろうと思っていた。だが、自分が「大人」 であると思っていた年齢に(19)、成長できていない自分に驚く。
 たとえば、朝はいつまでも寝ていたいと思うのも、子どものころと同じだ。さらに、仕事が大変なときなど、何度も会社を休みたくなったりする。「風邪で熱が出たから」とうそをついて、本当に会社を休んだことも(20)。子どものころは、本当に熟があっても、学校へきちんと通っていたのに。また、にんじんやピーマンなど、子どものころきらいだった食べ物は、今でも(21-a)、料理に入っていると(21-b)。それなのに、自分の子どもには「好ききらいをせずに、なんでも食べなさい」 とをえらそうにしかったりする。
 (22)さぼったり、うまくうそがつけるような大人になった今の自分の心は、子どものころの自分より成長するどころか、悪くなっているのかもしれない。(23)、自分の父や母も、昔は「大人」 だと思っていたが、今の自分のように考え、「大人」になろうとがんばっていたのかと思うと、なんだかあたたかい気持ちになるのだ。

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