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以下は、スポーツの指導者が子どもを叱ることについて書かれた文章である。叱ることの本来の目的は「叱られた原因を理解する」「自分の間違いに気づく」「うまくいかせるために次にとるべき行動がわかる」の三 点です。
とくに重要なのが、次にとるべき行動がわかることです。叱られたことで、自信をなくして次の行動がとれなくなることは、「叱る」という本来の目的からはずれることになります。
(中略)
「叱る」とは、叱ることで子どもがどのような反応を起こすか、すべで計算されていると、つまり「叱ることで子どもがどんな行動を起こすか」が、予想できていなければならない、ということです。そもそも(注1)叱ることは、子と''もの成長が目的なのです。これに対し、「怒る」は感情的な行為です。ときには怒りや憎しみを伴います。また、子ども自身を否定することにもなりかねません。指導者は「叱る」「怒る」の違いを常に自問自答(注2)することが大切です。さらには「君自身を否定しているわけではないのだよ、君のしたことを叱っているのだ」と伝えましょう。つまり、人格(注3)を含めてすべてを頭ごなしに(注4)叱るので はなく、ポイントで叱るのです。
ここで、「叱る」うえでの注意点を一^、叱ることが何度も続くと、叱られることに対する慣れが生じ、「いっものことか」と子どもが感じとリ、指導者の本当にいたいことが伝わらないということがあります。叱ることによって、得られる効果が半滅しないためにも、指導者は日頃から注意深く、また意思を持って、みずか らと向き合う必要があるのです。
(注1)そもそも:本来
(注2)自問自答する:自分に問いかけ、自分で考える
(注3)人格:性格
(注4)頭ごなしに:最初から一方的に

1。 (58)子どもを叱るとき、指導者にとって必要なことは何か。

2。 (59)筆者によると、叱るときはどのようにすればいいか。

3。 (60)筆者の考えに合うのはどれか。