今も昔も、子供たちに親しまれている折り紙。そんな身近な折り紙が今、「折り紙工学」という学問となっ ている。一例を(48)。折り紙の「折って畳むこと」と「畳んだものを広げること」を利用した研究がある。 大きなものを小さくし、それを簡単に元の大きさに戻す方法として、折るだけで形や大きさが変えられる折 リ紙が注目されたのだ。ただ折って小さくするのなら、新聞を折り畳むように何回も折ればいい。しかしそれ では、広げるときに、畳んだ分の回数だけ開くことになる。
(49) 一気に元の大きさに戻せる折り方を開発するために研究が重ねられた。その結果何回折った後で も、折りんだ状態から両端を引つ張るだけで、元の平面に戻すことができる方法にたどり着いたのである。
この折り方を(50)、人工衛星に用いる「太陽電池パネル」などの装置が作られている。装置を宇宙へ運 ぶロケットの容量には限界がありく、装置は小さくしなければならない。だからといって分割して部品にする と、宇宙空間で組み立てる技術が必要となる。ここに研究の成果が生かされる。開発された折り方を使えば、 装置を折り畳んで小さくすることができ、宇宙空間に出たときには簡単に(51)。
伝統的な遊びが宇宙で使われる最新技術につながっている。子供と折り紙で遊びながらこのような科学の 話を(52)折り紙を通して、宇宙工学や技術開発の分野にも興味を持つかもしれない。