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本を読むことは、かつて生きた優れた人の言葉を聞くということ、読むとは、基本的に人の話を聞くことです。
学ぶことの基本行為も「聞くこと」です。
しかも、本を読むことが生きている人数から話を聞くことと同じとらえられれば、その読みは一層リアル(注1)になるはずです。例えば、本居宣長を読むのでもゲーテを読むのでも、僕らが生きているかのようにして読める人の方が、生の声として聞こえてくるからより一居リアルです。
ですから、「聞く構え(注2)」ができている人は、より良く学べることにもなります。
逆に、聞く構えがないと、相手から成長がなかない人と見られてしまいます。言い換えれば、「聞く気がない」と受け取られてしまうと、会社でも学校でも「この人は見込み(注3)がない」と思われてしまうのです。
こんなふう に、学ぶ閥勢は現実の生活において、私たちの根本的な評価に関わってきます。
学ぶことは、優れた人の話を聞いて自分を修正していくこと、あるいは、その人に憧れを持ち、その人によって自分の新たな目標が見え、歩むべき方向性が決まることです。そして、本や人の話の中から具体的なかアドバイスを得て、自分の生活の中にある種の学びの習慣をつくっていく。だからこそ、読書を学びの基本にするとよいのです。
本を読まないということは、いわば膨大な数の賢者(注4)たちから、あらかじめ見放されてしまっているということです。
(注1) リアル : 現実的
(注2) 構え : 姿勢
(注3) 見込み : 可能性
(注4) 区者 : 優れた人
(注5) 見放される : ここでは、無視される