以下は、会社における評価について書かれた文章である。
私たちの会社では、志願(注1)してくれたのに、採用できなかった学生から、こんな問い合わせを受けることがよくあ ります。 「なぜ、自分は落ちたのでしょうか」と。
彼らの多くは、筆記試験の成績も優秀で、面接での受け答えのしっかりした学生。合格しなかったのは、単に当社との相性を他の志願者と比べた結果であって、重大な問題があったわけではありません。しかし、彼らの頭の中には、自分と採用しなかった当社との関係しかない。だから、「落ちたのは自分に問題があるからJと考え込んでしまうのでしょう。
①こういう人は社会に出ても苦労します。上司が他の社員と比べて評価を下していることまで想像が及びません(注2)から、より結果を出している同僚を棚に上げ(注3)、「自分はこんなに頑張って、成果を上げているのに評価されない」 と悩んでしまう。
(中略)
一定の水準を満たした志願者全員が、入社できるわけではありません。一定以上の業績(注4)を上げれば、誰でも高い評価が得られるわけでもない「自分はこれだけ成果を出したから大丈夫Jということはありません。より大きな成果を出した人がいれば、自分の評価が相対的に下がるのは当たり前。大事なのは他者との比較です。単純な話ですが、皆、意外なほど、②この事実に気づいていない。
成長するためにはまず、「自分は常に他者と比較されている」ということを意識してください。もし、社内での自分の評価を上げたければ、同僚と自分を積極的に比較しましょう。よく「人は人、自分は自分」と言います。評価の高い同僚は、あなたとは強みも活躍する領域(注5)も違うかもしれません。それでも、閉じような時期に生まれ、自分の得意分野を確立し(注6)、頭角を現している人(注7)がし、るなら、その事実lこ向き合ってください。そして、上司の視点で自分と比べてみる。「自分に足りないものJやf評価されるには何をすべきか」といったことが見えてくるはずです。
(注1) 志願する:ここでは、応募する
(注2) 想像が及(およ)ばない:想像できない
(注3) ~を棚(だな)に上げる:ここでは、~のことを考えない
(注4) 業績:仕事の成果
(注5) 領(りょう)域(し、き):分野
(注6) 確立する:ここでは、しっかり持つ
(注7) 頭(とう)角(かく)を現している人:能力が高くて、目立つ入