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 大学の先生のイメ ージとは、一般的にはどのようなものだろうか。理系だと白衣を着て難しい話ばかりする人、文系だと研究室に閉じこもって(注1)文学作品を読んでいる人、という声が周囲から聞こえてきた。確かにそれに近い人はいるのだが、もちろんそうでない人も多い。これは政治家、警察官、医者などにも当てはまることであり、私たちはどうしても先入観(注2)を持ってしまうため、それが誤解を生む原因になるのだ。
 誤解は相手の先入観だけでなく、自分が原因であることも多い。その大きなものが、話す際の省略であるつ時聞がないときなど、どうしても内容を一部省略して報告する必要がでてくる。時間があっても全ての情報をきちんと伝えるのは無理であろう。そうなると相手は自分の意図とは異なる形で補うために誤解につながっていくのだ。
中略...
 省略が多くなるメーノレは特に注意が必要で、込み入った(注3)内容を伝える場合はできるだけ直接会った方がよい。 会 うのは時間をとられて面倒だと感じるかもしれないが、その方が結局、問題が早く片付くこともあるのだ。
 また、誤解のプラスといえる面にも気が付いた。それは誤解によって人々の考えに自然に多様性が生まれるということだ。様々な意見があることは、健全な(注4)社会のための重要な要素である。誤解は一般的には悪者扱いであるが、多様性をつくる仕掛け(注5)だと思えば少し見方も変わってくるのではないだろうか。

(注1)閉じこもって:入ったまま
(注2)先入観:思い込み
(注3)込み入った:複雑な
(注4)健全な:正常な
(注5)仕掛け:仕組み

1。 (60)大学の先生の例を挙げて、筆者が述べていることは何か。

2。 (61)話す際の省略が誤解を生むのはなぜか。

3。 (62)筆者によると、誤解の良い点はどのようなことか。