イギリスの⼩学校では、メディア(注1)について考える授業が取り⼊れらている。
「ステレオタイプの説明ができる⼈は?」
先⽣の問いかけに、いっせいにてがあがった。
「ある決まったイメージで、⼈とかものについて⾔うこと。」⾃信たっぷりに男の⼦が答えた。
「コンピューターゲームのコマーシャル(注2)に、男の⼦しか出てこないのはおかしいわ。わたしだってやっているのに。」と⼥の⼦。
「コマーシャルに出てくる家族は、まきって優しいお⽗さんとお⺟さん、かわいい男の⼦と⼥の⼦。おまけに、みんなとても幸せそう。でも、①それって変じゃない?」と、別の⼥の⼦が疑問を投げかけた。
⽣徒たちは、「メディアの中の現実」と「⾃分たちが住む現実」とを⽐べることで、メディアが映し出す世界を、新たに認識し直す作業をしているのだ。コマーシャルは、商 品を売るために「作られた」ものであり、現実そのものではないこと。「男の⼦らしさ・⼥の⼦らしさ」とか「幸せな家族」というイメージは、⼦どもたちの周りにあふれているが、それらが必ずしも「本当のこと」ではないこ と。授業では、それを⼦どもたちに気づかせていった。
⽇本に住むわたしたちも、⽇々、さまざまなメディアに せっ 接しながら暮らしている。
わたしたちもまた、⽂字読み書きや⽂章の読解に加えて、②メディアについて学ぶ必要があるのではないだろうか。
(注1)メディア: テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など
(注2)コマーシャル:ここではテレビで返送される宣伝・ 広告のこと