あるニュースで次のような放送が流れた。
「コーヒーを⼀⽇3杯以上飲む⼈は、飲まない⼈に⽐べて、⼼臓病で死ぬ確率が3倍以上であることが、ある⼤学の医学部の(50)分かった。」
このニュースを⾒た⼈のほとんどは、「カフェイン( ちゅう 注1)(原因)⇒⼼臓病(結果)という因果関係を想像した(51)。私たちの頭の中には、「コーヒー=カフェイン」というイメージが出来上がっているからだ。しかし、この調査では、砂糖が原因である可能性は、考えなかったのだろうか。コーヒーに砂糖を⼊れる⼈は多いあら、もしかしたら、カフェインよりも砂糖のほうが、⼼臓に悪い(52)。当分のと取りすぎが、太りすぎや、その他の健康障害を引き起こすことは、今では⼩さな⼦供でも知っている。つまり、「カフェイン⇒⼼臓病」を証明するためには、どうすればいいか。(54)、砂糖の影響の可能性を消す必要がある。まず、コーヒーを飲む⼈を、砂糖を⼊れて飲む⼈と⼊れず飲む⼈に分けて、それぞれ⼼臓病の割合を計算し、それから、コーヒーを飲まない⼈の⼼臓病の割合と⽐較するのである。
このように、他の影 響の可能性を打ち消した後でなければ、原因を決定することはできないのである。
カフェイン:kaffein (ドイツ語) コーヒーやお茶などにふくまれる成分。