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 警察庁によると、刑法犯(注1)で逮捕、書類送検(注2)などされた少年少女は近年減少傾向にあり、2009年は前年比0.8%減の9万282人。少子化の影響もあってピークの1983年の半分ほどになった。しかし、一方で、再び罪を犯す再犯率は98年から右肩上がりで増え続け、09年は過去最高の31.3%に達した。不良グループとの付き合いが続き、きちんとした生活を築けないまま再び非行に走る(注3)ケースが目立つという。
 各警察はこれまで、少年側から持ちかけられたほ(注4)場合は相談相手になるなどしていたが、今後は①受け身の姿勢を改め、「出前型」と称して(注5)積極的に関係をもつよう方針転換する(注6)。問題が残り、将来に不安を感じるケースについて、保護者らの了解を前提に、所轄署(注7)の少年担当の警察官や地域のボランティアらが連絡をとる。保護者と相談した上で「学校を休まず通えるようになる」「まじめに仕事を続けるようになる」といった目標を設定。電話やメール、家庭訪問などを通じて励まし、相談に乗るという。また、他の人からほめられたり感謝されたりする経験が立ち直りのきっかけになるとして、ごみ清掃などのボランティア活動や老人ホームへの慰問(注8)にも誘う。

(五十嵐透「少年の再犯防止へ『脱^受け身』警察官が個別サボート」
2010年12月16日付けasashi.comによる)


(注1)刑法犯:法律に違反する犯罪を行った犯人
(注2)書類送検:事件について調べた書類を裁判のために送ること
(注3)非行に走る:少年や少女が、社会のルールや法律に違反するようになること
(注4)持ちかけられた:話を受けた
(注5)称して:名前を付けて
(注6)方針転換する:目標ややり方を変える
(注7)所轄署:その地域を担当する警察
(注8)慰問:見舞いをして元気づけること

1。 (1)①受け身の姿勢とは、どのようなことか。

2。 (2)再犯を防ぐために、警察が積極的に力を入れるようにしたことは何か。