「〜道」と名の付くものはいろいろありますが、私が数年前から習っているのは茶道です。ちょっと苦い緑の粉を、決められた作法(注1)に従って味わい、楽しむ。茶道のけいこは、⾃宅で気楽にいれたお茶を飲むのとは違った時間の流れるひとときです。⽇常にない、独特なほどよい緊張感が、気持ちをリフレッシュさせてくれます。
 お茶の先⽣に聞かれたら怒られてしまうかもしれませんが、作法というのは、やはり⾯倒なものでもあります。茶道の魅⼒は、茶室に流れる⾮⽇常的感覚だけではありません。お抹茶の⾊や味や⾹りだって、魅⼒の⼀つです。このおいしい薄緑を、もっとカジュアルに楽しめないものか・・・。仕事の休憩時間にお抹茶がいただけたら、どんなにリラックスできるだろうか。・・・。
 そこで私は、最近ある⼯夫をしています。茶道の道具を、すべてオフィス⼾棚に置いておくのです。職場でさっとお茶を点て(注2)、薄緑の魅⼒を仕事仲間と共有。以前は普通のお茶の葉っぱを職場に置いておいたのですが、お抹茶なら葉っぱを捨ててたりしなくていいので、便利だということに気づいてからは、①この⽅法にはまって(注3)います。お抹茶は飲み物なのですから、おいしく飲めることが⼤事に決まっていますよね。
(注1)作法︓物事の決まったやり⽅
(注2)お茶を点て︓お茶をつくって
(注3)はまって︓熱中して、⾃分の好みにぱったり合って

1。 (1)①この⽅法とは、どんな⽅法か。

2。 (2) 筆者が抹茶を楽しむうえで最も重視しているのは何か。