2009年から日本で一般の市民が裁判に参加するようになった。裁判員制度である。しかし呼び出された人の約3人に1人が辞退しているそうだ。辞退できるのは本人や家族が病気やケガをしている場合、葬式や出産、重要な仕事などの事情がある場合である。18人ほど呼び出された中で実際に裁判員になれるのは6人(そのほか補充裁判員2名)だけだ。だから呼び出す人数が多すぎるという不満の声がある。
 日当は裁判員を選ぶ日は8千円以内、裁判員を務めた日は1万円以内だそうだ。額が多いとか少ないとか言われているが、いくら高額でも嫌だという人もいる。①裁判員が参加する裁判は泥棒などという軽い刑ではなく殺人など重大な事件だから、死刑を言い渡さなければならないこともあって、裁判員になりたくないと言う人もいる。裁判官と裁判員で話し合って多数決で判決を出すから、裁判員も責任が大きい。しかし多数決といっても必ず1人以上の裁判官の賛成が必要である。裁判官3人と裁判員6人では普通の多数決にすると裁判員だけで決められるからである。
 一般人の参加によって家族間の事件は同情して刑が軽くなり、一方性犯罪は重くなる傾向にある。よくも悪くも普通の人の考え方に近づいているようである。また市民の裁判に対する関心が高まっている。これが今回一番よかったことなのではないだろうか。

1。 (1)裁判員に呼び出された場合にどんな不満があるか。

2。 (2)①裁判員が参加する裁判はどんなものか。

3。 (3)著者は裁判員制度が始まって何が一番よかったと言っているか。