2011年現在、日本の人口1億2780万人のうち、65歳以上の高齢者は2975万人で、過去最高になった。また、65歳以上の高齢者がいる家庭のうち、約25%が一人暮らしの家庭、約30%が夫婦のみの家庭で、一人または夫婦のみで暮らす高齢者が年々増加している。①そうした状況の中で、利用者が増えているのが、配食サービスだ。
配食サービスとは、栄養バランスのよい食事を定期的に届けるサービスで、1食400円ぐらいで利用できる。配食サービスの主な目的は2つある。
1つ目は、栄養バランスを一番に考えた食事を届けることによって、利用者の健康維持に役立つことだ。その栄養バランスの良さが注目され、最近では、高齢者ばかりでなく、若い人の利用も増えているそうだ。特に、子どもを産んだ直後の女性や、健康には気をつけていても忙しすぎる人などが利用しているという。
2つ目は、食事を届ける時に「お変わりありませんか」などと聞くことによって、利用者の健康状態を確認したり、社会的孤立(注)を防いだりすることだ。実際に、配食サービスの効果を調べたある調査によると、「定期的に人が来てくれるので、急に倒れても早く対応してもらえるという②安心感がある」「人と話す機会が増えた」などの回答が多かったそうだ。
配食サービスを行う企業や団体が増え、利用者は、自分に合った食事の味や費用、配食の回数などが選びやすくなっている。今後、利用者はますます増えるだろう。
(注)孤立:一人だけで、つながりや助けがないこと