2010年の出版物の推定販売金額は約1兆8700億円、前年より3.1%減少、1998年から連続のマイナス成長となった。推定売上げが1兆円を超えたのが1976年、2兆円を超えたのが1989年だから、その約10年後から減少し始めているわけだ。書籍は1996年、雑誌は1997年にそれぞれピークを迎えている。また景気後退の影響で2009年には57の出版社が倒産している。

 ニュースをコンピューターや携帯電話で読むようになってきた。新聞より速いし、ほとんどお金もかからない。最近(注1)携帯小説が注目されていて、中には100万もの小説を集めている携帯サイトもある。人気小説は本や映画になったりするので出版界も無視できない。

 2010年の携帯電話やパソコン上で読む書籍(雑誌を除く)市場は推計650億円だったが、数年後には3千億円になると予想されている。このような状況下で電気製品会社が多くの電子書籍が読める装置を売り出すのは当然だ。2010年はその契機として歴史上に残るかもしれない。わずか6ミリの電子書籍装置も売り出された。ただ本を読むだけでなく新聞も読め、メールもでき、ネットから(注2)動画も下ろせる携帯電話に似た機能をつけてあるから、ビジネスマンにも受け入れられやすい。アメリカでは電子書籍は印刷した本の3分の1ぐらいの値段だから、とても買いやすいそうだ。同じように世界中に広まっていくのは時間の問題かもしれない。

(注1) 携帯小説:携帯電話を使って書いたり読まれたりする小説
(注2) 動画:映画・アニメ・ビデオカメラなどで撮影した映像

1。 (1)出版業界はどう変化してきたか。

2。 (2)携帯小説について述べているのはどれか。

3。 (3)2010年はどうして歴史に残るかもしれないのか。