子どもの習い事として人気の高い「書道」ですが、これはただの「字を上手に書く練習」ではありません。

 書道をやると、まず集中力が身につきます。一度墨(注1)で紙に書いてしまったら、えんぴつで書くときのように消しゴムで消すことはできません。そのため、書く前に心を落ち着かせ、字の形や筆(注2)の動かし方を頭の中に思い浮かべます。①その書き方に沿って字を書くので、自然に紙や手に心が集中するのです。

 それから、②道具をあつかう力が身につきます。筆や墨は、正しく持って上手に使わないと、服を汚したりします。子どもたちは、道具の正しいあつかい方には意味があると学ぶのです。また、自分の道具を自分で準備したり片づけたりするのも大事な勉強です。

 このように、書道によって、字が上手になるだけでなく、人生に必要な基礎の力をつけることができます。子どもに書道を学んでほしいと考える親は、今後もいなくなることはないでしょう。

(注1)墨:書道で使う黒いインク
(注2)筆:黒をつけて字を書くための道具

1。 (1)①その書き方とあるが、もっとも近いのはどれか。

2。 (2)②道具をあつかう力とは、例えばどのようなことだと言っているか。

3。 (3)この文章で一番言いたいことは何か。