地面をニヨロニヨロはう茶色のミミズ(注1)を好きな人は、あまりいないだろう。しかし このミミズは4億年もの間、地球の生物、環境に大きな恩恵を与えてきたのだ。
 大食いのミミズは、自分の体重と同じくらいの落ち葉を食べる。そして大量のフンを出 すが、その中には普通の土と比べてカリウムが11倍、リンが7倍、窒素は5倍含まれる。(41)ミミズは植物が日光から作った栄養を消化して、土に再生しているのだ。だか らミミズがたくさんいる土はふっくらと柔らかく、有機物を大量に含み、農業に向いた土 .になる。
 またミミズが地面の中を通ったあとは細長いトンネルになって、土はやわらかいスボン ジのようになる。雨が降っても、水がすぐしみ込むので洪水にならない。また干ばつのと きも、ミミズのいる土は水を含んでいるので、植物が(42)。そのトンネルには植物が容易に根を伸ばすことができ、しかも中は栄養豊富なので、植 物はますます成長するというわけだ。
(43-a)は(43-b)が休んでいる間も、大地という工場でせっせとすばらしい土を 生産し続ける、勤勉で優秀な労働者なのだ。
 だが現代日本では気軽に殺虫剤を大量散布するようになり、ミミズが減っている。ミミ ズのいない土は固くなり、空気も雨水もしみ込まない土になる。(44)強健なミミズ が殺虫剤に耐えたとしても、そのミミズを食べた小鳥や小動物が死んでしまう。
 進化論で有名なイギリスの学者ダーウィン(Darwin)は、ミミズを研究し『ミミズと土 J という本を著したeその中で書いているa「もしミミズがこの世にいなければ、植物ほ全滅 してしまうだろう。世界の歴史において、ミミズ以土に重要な役割を果たした動物が、(45)と。
(注)ミミズ=環形動物の一種。"

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