19世紀は国を大きくするために戦争した時代だった。20世紀は石油などのエネルギーを取り合う時代だった。そして、①21世紀は「水の世紀」と言われている。地球の水の97.5%は海水である。動物が飲んだり、農業に使える真水(注1)は0.01%しかないと言われている。生物は水がなければ生きることができない。そのわずかな水をだれが使うのか。②石油と同じことが起こってもいいのだろうか。

 地球上には安全な水を飲めない人が10億人もいるという。日本は雨が多いおかげで、昔から「水はただ」と思ってきた。水道料金を節約する努力はするが、水が不足することはほとんどない。

 そんな水の豊かな日本だが、たくさんの食べ物を外国から買っている。肉や野菜を作るのには、たくさんの水が必要だ。牛肉1キロを作るのに、70~100トン(注2)の水が使われるそうだ。つまり、私たちがアメリカの牛肉を食べるということは、アメリカの水を飲むということになるわけだ。こうした「③見えない水」のことを考えないと、④本当に資源としての水を考えたことにならない。

 21世紀が「水の世紀」にならないように、シャワーの回数を減らしながら、外国の食べ物をたくさん食べてしまうようなことはやめようと思う。

(注1)真水:塩などが入っていない水
(注2)トン:1トン=1.000キログラム

1。 (34)①21世紀は「水の世紀」と言われているのは、どうしてか。

2。 (35)②石油と同じこととあるが、ここで言いたいことはどれか。

3。 (36)③見えない水とはどんな水か。

4。 (37)④本当に資源としての水を考えたと思うのは、どういうことか。