夫がいたころは、枝⾖⼤好きだった夫から、「店に出ているかぎり毎晩でもいいから」と⾔われて、⼣⾷にゆでたてを出していた。晩酌(注1)がまずくなるからと、昼⾷も控える(注2)ときもあったくらいで、ましておやつに枝⾖など考えられなかったであろう。その習慣で私も枝⾖は⼣⾷のものと思い込んでいた。
 独りになってからの私は、⼀⼈でお酒は飲まないので、いつの間にかおやつに枝⾖を⾷べ始めた。冷やした枝⾖の味も覚えたのだが、同じ枝⾖でも、お酒と⼀緒のときと、ひたすらお⾖を楽しんで⾷べるときの味は別のように思う。環境が変わると、ものの⾷べ⽅まで変わるものなのだと気がついた。
 今夜は、チリメンジャコを少し⼊れ、しょうゆ味の枝⾖ご飯を炊くことにしよう。

(注1)晩酌︓家で⼣⾷を⾷べるときにお酒を飲むこと
(注2)控える︓制限する

1。 (2)おやつに枝⾖など考えられなかったであろうとあるが、なぜか