ついこの前、近くのお店に買い物に⾏った時のこと。
  私がお店を出ようとすると、前に電動三輪⾞(注1)に乗ったおじいさんがいた。私は急いでいたので、そのおじいさんを追い越して、先に⾃動ドアの前に⽴った。ドアが開くと、①「ありがとう」という声が聞こえた。驚いて振り返る(注2)と、うれしそうに笑顔でお礼を⾔うおじいさんがいた。あっと思った私は、おじいさんが通り過ぎるのを待った。
 私は②おじいさんに、とても申し訳ない気がした。お礼を⾔われるまで、おじいさんにとって⾃動ドアを通ることが⼤変だなんて、少しも気付かなかった。結果として親切な⾏動となったが、それは偶然のことで、親切な気持ちではなかったのだから。
 私には何ともないことでも、苦労する⼈がいるのだと、実感した出来事だった。その⼈の⽴場にならなければ、なかなか分からないことだけれど、今度こんな状況に出合ったら、すぐに気が付くようにしたい。そして、今度はお礼を⾔われても、それにこたえられるような、気持ちからの⾏動にしたい。

(注1) 電動三輪⾞︓歩くのが困難な⼈のために作られた、電気で動く乗り物
(注2) 振り返る︓後ろを⾒る

1。 (1)おじいさんはなぜ①「ありがとう」と⾔ったのか

2。 (2)筆者はなぜ②おじいさんに、とても申し訳ない気がしたのか

3。 (3)筆者はこれからどうしようと思っているか