富⼠⼭は標⾼(注1)3776メートルの⽇本⼀⾼い⼭で、世界⽂化遺産でもある。登⼭道が整備されているため、毎年何⼗万⼈もの⼈が⼭頂(注2)を⽬指すそうだ。私もツアーに参加して登ることにした。
登りはじめは楽だった。でも、3時間ぐらいすると、だんだん岩が多くなり、登りにくくなってきた。その上天気も悪くなり、前も後ろも真っ⽩で①ほとんど⾒えなくなってしまった。そこはちょうど雲の中だったのだそうだ。何も⾒えずに、ただ⼀歩ずつ前に進むしかなく、この時は不安でつらかった。しばらくすると、急に天気が良くなった。雲が移動したのではない。私たちが雲の上に出たのだ。⾜の下には雲が海のように広がっていた。素晴らしい景⾊を⾒たら元気が出てきて、⽬標の⼭⼩屋(注3)に予定時間に着くことができた。私たちはそこで⼀泊した。
次の朝、まだ暗いうちに⼭⼩屋を出発して⼭頂まで登ったが、②そこでは⼤勢の⼈が太陽を待っていた。やがて、薄暗かった空が次第に明るい⻘⾊になって、そして空の下の部分だけがオレンジ⾊に変わってきた。そして、太陽が静かに昇り始め、まぶしい光が伸びてきた。光はどんどん強くなり、私たちを照らしてた。⼭頂がとても寒かったが、太陽の光が当たって⾝体が温かくなるのを感じた。
富⼠⼭に登るのは⼤変だったが、登らなければできない素晴らしい経験がいくつもできた。毎年登る⼈もいると聞くが、その⼈たちの気持ちがよくわかる。
(注1)標⾼︓海⾯からの⾼さ
(注2)⼭頂︓⼭の⼀番上
(注3)⼭⼩屋︓ ⼭にある宿泊や休憩や避難などができる施設