漢字は5万字ほどもあると⾔われているが、これを全部使うのは⼤変だ。そこで、⽇本では1981年に普段使う漢字を1945字に決め、これを常⽤漢字と呼んでいた。そして、なるべくこの範囲で漢字を使うようにした。この常⽤漢字の数が2010年に1945字から2136字に増えた。どうしてだろうか。
それは、パソコンや携帯電話などの情報機器の発達により、⼿で書くの難しかった漢字が簡単に表記(注)できるようになり、漢字の使⽤が増えたためである。たとえば、気分が沈んだ状態である「ゆううつ」という⾔葉をメールで使う場合、「憂鬱」と漢字で表記する⼈が増えている。この「憂鬱」は新しく常⽤漢字になった漢字である。
しかし、⽇本に外国⼈が増加して、漢字が苦⼿な⼈もいるため、常⽤漢字を減らすべきだという意⾒もある。どのような漢字表記がよいのか、いつどこでどんな表記を使うのがいいか、さまざまな点から考えていかなければならないだろう。
(注)表記︓ ⽂字などを使って、ことばを書き表すこと。